1点のバッグに向き合うとき、職人はまず何を見るのか
テーブルに置かれたのは、角がすり減り、持ち手がくたびれたレザーバッグ。職人が最初にするのは「いきなり直す」ことではなく、静かな観察です。革の種類、厚み、コシ、表面の加工(ツヤの有無、型押しの有無)、縫い方や金具の付き方…。
「どんなふうに長年使われてきたのか」「どこに一番負荷がかかっているのか」を読み取りながら、頭の中ではすでに複数の修理パターンが組み立てられています。
素材チェックとダメージ診断:原因を推理する時間
次に行うのが、素材とダメージの「診断」です。同じ破れでも、原因が違えば直し方も変わります。例えば、
・経年による乾燥で、革そのものが脆く...









