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「潰れない七不思議」。幾度も波を乗り越え、都市景観と共に末長く成長する企業をめざして
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「潰れない七不思議」。幾度も波を乗り越え、都市景観と共に末長く成長する企業をめざして

2026.04.29
荒木産業株式会社





荒木産業株式会社 / 代表取締役 荒木正江 氏



「潰れない七不思議」。幾度も波を乗り越え、都市景観と共に末長く成長する企業をめざして

「ウチの会社、もう潰れる、もう潰れるって言われていたんです。しまいには『潰れない七不思議』なんて言われて(笑)」。そう語る荒木正江氏は、祖父が興した荒木産業株式会社を2017年に引き継いだ。事業内容は、道路用のインターロッキングブロック(※1)をはじめとした舗装材の製造・販売・施工である。崩壊寸前だった経営の立て直しを図り、SDGsに配慮したリサイクルブロックの比率を高めるなど、製品のアイデンティティにも取り組んでいる。自身の歩みと再建の道のり、そして今後について話を伺った。

※1  インターロッキングブロックとは、舗装に用いられるコンクリート製のブロックのこと。一般的なコンクリート舗装と異なり、ブロック同士を噛み合わせる(Interlocking)ように並べ、その隙間に砂を詰め込むことで荷重を分散させる構造を持つ。


「若気の至り」は、後につながる伏線だった



中小工場、倉庫、物流施設が点在する大阪府大東市新田北町。荒木正江氏はここで生まれ育った。住居は2階で、1階は父が働く1959年創業の「荒木産業株式会社」であった。もともとは運送業から始まり、やがて燃料・肥料などの販売へと変遷した。正江氏の父を含め、親族の多くが荒木産業で働いていた。

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そんな環境で成長し、短大を卒業した正江氏。「親のツテ」でセメント会社に就職するも、3年で退職しアルバイト生活に入る。そのころ荒木産業では、父が機械を導入し、道路舗装に使われるブロックの製造を開始していた。しかし、製品はできても販路がない。正江氏が会社に入って販路開拓を手伝おうとするも、すでに親族が多く働いており、増員は無理だと断られてしまう。

『じゃあ私、外で売ってくるわ』と。一人で売り先を見つけようと考えました。ちょうど荒木産業にあった鉄の廃材を売ると、50万円の元手ができたんです。それで中古車を1台買い、『株式会社アラキ』として営業に飛び出しました。建築・土木の業界は男性優位だったので、軽く扱われることも多々ありました。私自身も、初めはモノの良さがわからないまま、ボールペンを1本売るような感覚で話をしていたんです。今から思うと、完全に若かったからこそ、できたことですよね

1995年に立ち上げた株式会社アラキは7年ほど続いたが、取引先の不渡りの影響を受け2002年に倒産する。しかし、この7年間で得た知識や人脈が後に活きることとなる。失意の中、「ともかく稼がなければ」と水商売やアパレル業に転身。スナックでの勤務や、アパレル会社での仕入れ・企画などを経験した。
ファッションが好きだったこともあり、アパレルの仕事は長く続いた。しかし14、5年が経過した頃、ある知らせが届く。


偶然のようで必然だった「継ぐ」という選択



「荒木産業がおかしくなっているよ」。正江氏が人づてに聞いたのは、2016年頃のことだった。驚いて実家に帰った正江氏は、社内の惨状を初めて目の当たりにする。

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要は放漫経営でした。当時、社長は親族以外の方が務めていたのですが、資金管理が杜撰で。年商も、かつての5〜6億円から1億6,000万円まで落ち込んでいました。父は体調を崩して取締役に退いていましたが、何も言えない性格で。そんな状態だったので、継ぐか、潰すか、二択でした

「潰れるまで次の就職先は探しません。最後まで見届けます」という社員の言葉に心を打たれ、「ここまで言ってくれる社員を何とかしてあげたい」と奮起する。そこで正江氏は、実兄と話し合いを持った。

当時、兄は救急救命士の資格を取って転職しようとしていました。『俺が国家試験に受かったら、お前が継いでくれ。落ちたら俺が継ぐ』という賭けをしたんです。そしたらまさかの合格。私の負けです(笑)。兄は今、救急救命士の養成校で先生をしています。もし私が勝っていたら、今でもアパレル業界にいた気がします

腹をくくった正江氏は、かつての「株式会社アラキ」時代に付き合いのあった顧客を回り、2018年に社長に就任した。当時、荒木産業ではインターロッキングブロックが主力商材となっていたが、ほとんどがOEM(他社ブランド製造)だった。収益性の向上と独自性の確立のため、自社商品の比率を増やす改革に着手する。
専門知識と営業力を持つ人材も採用したが、利益はすぐには好転しなかった。さらに2019年には、社内で不慮の事故が発生する。安全対策を一から見直したが、会社の信用は大きく損なわれた。
それでも、真摯に現実と向き合い、前へ進むほかなかった。


小さな町工場だからこそできる価値創出



荒木産業の同業他社は関西に5社ほどしかなく、その多くは大手の関連会社である。「その中でうちは一番小さな町工場です」と正江氏は語る。
小回りがきく点については、高く評価していただいています。『材料が足りなくなった!』という現場からの急な要請にも、すぐに対応して力になることができます

大きな特長となっているのが、リサイクル材を用いた製品だ。ブロックの骨材として、地域で発生する溶融スラグや廃ガラスを再利用しているところ。

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リサイクルに特化して継続しているのは、ウチぐらいではないでしょうか。私自身、ゴミ問題を解決したいという思いをずっと持っていたんです。その思いが周囲に伝わり、数年前から本格的に力を入れるようになりました

廃ガラスを混ぜたブロックは微細にきらめき、景観性を高める。また、打ち水効果のある保水性ブロックなども展開し、現代のまちづくりニーズに応えている。現在、公共事業からの売上が全体の7割を占める。
ありがたいことに、工事業者様が公共案件を多く回してくださいます。ですので、設計事務所様に好まれるような、都市景観に美しく調和するデザインを中心に提案しています

「潰れない七不思議」。幾度も波を乗り越え、都市景観と共に末長く成長する企業をめざして

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立て直しから、持続する企業へ



3年ほど前にも『もうダメかな』と思った時期はありましたが、ようやく今、落ち着いてきたところです。『潰れない会社になりましたよ!』と、皆さんに証明できている実感が湧いています

就任当初は必死さゆえに声を荒げることもあったというが、今は「声かけ」と「隠し事をしないこと」を大切にしている。コンサルタントを招いた勉強会も定期開催し、組織としての足腰を鍛えている。

今後は設計事務所や役所の方々に、もっと荒木産業を知っていただけるよう営業活動を強化したいです。そのためにカタログやホームページも刷新しました。社内向けには、自分たちで『こんなものを作りたい』とオリジナル製品を生み出す気運をつくりたい。ものづくりの楽しさを、社員に肌で感じてもらいたいんです

荒木産業の「潰れない七不思議」は、今、確かな持続可能性(サステナビリティ)へと進化を遂げている。

「潰れない七不思議」。幾度も波を乗り越え、都市景観と共に末長く成長する企業をめざして

荒木産業株式会社
本社:大阪府大東市新田北町2番28号
オフィシャルサイト:https://araki-sangyo.com/