HA-LIFE JAPAN株式会社 / 代表取締役 小川龍一郎 氏
<謙虚に、慎み深く。辛抱強く頑張れば勝利は訪れる>
そんな言葉が社名に込められている、HA-LIFE(エイチエーライフ) JAPAN株式会社。代表取締役の小川龍一郎氏は、SE(システムエンジニア)から一転、未経験で飛び込み営業の世界に挑戦し、30年にわたって成果を積み重ねてきた異色の経歴の持ち主だ。
現在は営業代行業務を中心に、美容・健康商材や再生医療関連のビジネスを展開。1万人以上に再生医療のサービスを届けるなど“健康寿命を伸ばす” というテーマを掲げて挑戦を続けている。
一方、2025年には東久邇宮記念賞を受賞。シングルマザー支援や子ども基金といった社会貢献にも意欲的だ。
そんな小川氏の歩みと、今後の展望を聞いた。

営業に技術はいらない。相手への思い
HA-LIFE JAPANという社名には、小川氏ならではの想いが込められている。
僕の妻がフラダンスのインストラクターをしていたんです。そこからハワイ文化に触れるうちに、ALOHAの「H」は、謙虚に慎み深く、「A」は、辛抱強く頑張れば勝利が訪れるという意味があると知りました。この言葉が自分の営業のスタイルに通じると感じ、社名に取り入れました。
さらに、家族への想いも重ねている。
息子の名前は「晴天郎(はるたろう)」です。HA-LIFE JAPANの社名は、愛息子の晴天郎(はるたろう)にもかけてます。その「HA」と、あとハートフルな意味も込めています。もともとは妻のフラダンス雑貨を流通させるために作った会社でもありました。家族や周囲の人を大切にするといった思いも込めています。
そんな小川さんだが、営業という仕事は最初から得意だったわけではない。
そんな中、小川さんは「1件1件を大切にする」ことを信条に、地道に実績を積んだ。
僕はもともとSE(システムエンジニア)だったんです。接客は好きでしたが、営業は苦手でした。飛び込み営業は未経験で“行ってこい”と現場に放り込まれるような環境でした。完全歩合制で、結果が出なければ収入ゼロ。もちろん辞めていく人も多かったです。
置き薬の代行営業時代、「また来たんか!」と怒鳴られ救急箱を投げつけられたり、同僚が5時間軟禁状態になったこともありました。そんな時も、怒らせたことは謝っても仕事については絶対に謝りません。間違った仕事をしていませんから。
そして現在、再生医療分野での仕事経験を重ねるうちに「営業は技術じゃない。相手を思う気持ちが伝わるかどうかだ。」と、確信を持つようになった。
営業未経験のアルバイトから支店長へ
意外にも、飛び込み営業はアルバイトからのスタートだった。
最初は社員になるつもりは全くありませんでした。社員になると責任が重くなりますし、歩合の方が自由にやれると思っていたからです。でも結果を出していくうちに、「支店長を任せたい」という話があり、「社員になるのが条件だ」と言われました。それならやろうと腹をくくりました。
ゼロから叩き上げたその経験が、今の自信にもつながっている。
完全未経験、ゼロからのスタートです。でもコツコツ積み上げるのが性に合っていました。 100パーセント全てのエリアをただ回るんです。成功率は求めません。1件1件相手の話をちゃんと聞く。信頼を築く。それだけを意識してやっていたら、いつの間にか結果が出ていました。
やがて、アルバイト時代から10年で年収1000万円を達成。営業という仕事に対して誇りを持てるようになったという。
納得できないものは扱わない
2006年にHA-LIFE JAPAN株式会社を設立。独立当初は、ベルメゾン千趣会様の子会社の千趣会販売サービス様が「ちょこ食べBOX」という置きお菓子事業からスタートする。大ヒットした企業向けの置き菓子サービス「オフィスグリコ」(※1)の設置企業開拓も手がけ、大きな実績を残した。
(※1)オフィスグリコ:江崎グリコ株式会社の子会社であるグリコチャネルクリエイトが提供する、オフィス向けの置き菓子サービス
グリコさんの営業は独立前から関わっており、独立してからも何年かご依頼いただきました。企業から即決で商品設置を許可されたことも多々ありました。会社が軌道に乗りはじめる大きなきっかけだったと思います。
現在は営業代行業務を軸に、「健康寿命を伸ばす」ことをテーマに事業を展開している。
営業する商品は自分や家族、知人にも試してもらう。自分が納得できるものだけを扱っています。必ず試して、結果が出ないものは扱わない。これは徹底しています。そして売りっぱなしにせず、必ずフォロー、これも大事です。
現在主軸の取扱商品はGrant E One's(グラント・イーワンズ)(※2)の美容・健康商材、そして再生医療関連商材など。年齢や性別を問わず、幅広い層にサービスを届けている。
(※2)Grant E One's(グラント・イーワンズ):女性の“キレイになろうとするココロ”に注目し、 「美と健康」をテーマに様々な製品をプロデュースしている福井の企業
脳性麻痺の子どもの症状が改善
再生医療とは、細胞や人工材料、遺伝子技術などを利用して、機能障害や機能不全に陥った組織や臓器を再生し、元の機能を回復させる医療である。
再生医療には1種(他人の細胞)、2種(自家細胞)、3種(免疫細胞培養)の再生医療等技術に分類される。副作用はほぼないが、2015年に再生医療等安全確保法が施行されたため、日本では1種は投与できない。
小川氏が、再生医療に携わるきっかけは偶然だったという。
ある再生医療の会社から最初に提携を打診されました。これを実際に商品を自腹で試したところ、効果が感じられなかったので断りました。それがきっかけで35年来の知人、そう私の兄貴分みたいな方が再生医療に関わっていたことを思い出し連絡したんです。そこは信頼できる取り組みと知り、改めて再生医療に関わり始めました。
現在は再生医療支援 研究・開発を行うステムリンク株式会社(※3)の執行役員として、再生医療の営業や普及を担当。
東京大学との共同研究を進めつつ、現場にサービスを届ける役割を担っている。すでに1万人以上にサービスを提供。
きっかけは脳性麻痺のお子様をお持ちのご両親からのご相談だった。現在まで150人以上の難病に苦しんでいる子供達にも投与し、希望を与える仕事にも取り組んでいる。
(※3)ステムリンク株式会社:最先端のバイオテクノロジーを駆使して、無針注射器の提供に加え、再生医療事業への支援、研究・開発、細胞の培養を行う革新的な企業
2025年3月より企業と連携し、子ども用の針なし注射器を作成・配布する子ども基金を開始。支援が必要な家庭に無償提供する取り組みも始めた。また、動物用やペット用も開発している。
一方で、美容健康サロン向けに仕入れをせずに物販売上を上げる事業も展開している。そこにはシングルマザーの方々の活躍できる「場」の提供が狙いでもある。
シングルマザーの方々が生活できる環境を整えることも自分の使命だと考えています。だから倫理観を大切に、無理な販売や押し売りは絶対にしません。

人は1枚の葉っぱ。集まり木になり森に
今後は再生医療のさらなる普及とともに、健康寿命を延ばす社会づくりに注力していくという。
日本は医療技術は高いのに規制が多く、海外のほうが動きやすい場合もあります。再生医療の最新技術を海外で認証させて日本に還流させたいですね。
また、営業という仕事についても、若い世代に伝えていきたい思いがある。
飛び込み営業は泥臭い仕事と思われがちですが、本質は“人と人との信頼を築くこと”です。人は1枚の葉っぱに過ぎません。1枚1枚が集まって木になり森になる。目の前のことを大事にできない人は大きなことができないという考え方です。謙虚な気持ちで、人との出会いを大切にしていけば、どんな世界でも活躍できます。
小川氏はこれからも謙虚に着実に歩み続けていく。
事業を通して健康寿命の延伸とともに、人と社会の未来に貢献していく姿勢だ。

