有限会社 OEH / 代表取締役 渡辺秀和 氏
英語を話せるようになりたい。でも、普通の英会話スクールじゃなかなか上達しない……。
そんな悩みを感じる人は少なくない。「もっと自然に英語を身につけたい」と思うなら、環境そのものを変えてみるのも一つの方法だ。
ならば海外留学となる。しかし費用も計画も、ましてやどの国にするのかなど様々な課題が出てくる。
もし国内に居て海外留学が体験できたら?それはとても素晴らしいことだ。
大阪府枚方市にある住み込み型の語学スクール「大阪イングリッシュハウス(OEH)」なら、講師と生徒が共に同じ屋根の下で生活する。
英会話のレッスンだけでなく日常のすべてが学びの場となる。しかもここの住人の大半が外国人。
このユニークなスクール「大阪イングリッシュハウス」を運営するのは有限会社 OEH。
創業1967年の老舗企業だ。
代表取締役の渡辺秀和氏は、一度は家業を継ぐことを拒んだものの、海外で英語の壁にぶつかった。その経験が「英語を使わざるを得ない環境」を作るヒントになったという。
「ただの語学学校じゃない。英語を通じて人生を変える場所です。」
そう話した渡辺氏の運営する「大阪イングリッシュハウス」について、話を伺った。

「英語は大嫌い」と思っていた20代、海外で痛感した現実
渡辺氏が「大阪イングリッシュハウス」を本格的に手伝い始めたのは21歳。30歳で親の跡を継いで代表に就任した。
英語は大嫌いだったんです。実は、10歳の頃から家には外国人講師が住んでいて、日常的に英語が飛び交っていました。普通なら恵まれた環境だと思われるかもしれませんが、子どもだった僕にとっては「突然話しかけられる」「スキンシップが多い」といった距離感が合わず、正直鬱陶しいと感じていました(笑)。
そういった思いから渡辺氏は英語から距離を置こうとした。
好きなことをしたいという思いから、高校卒業後は海の世界に興味を持ち、スキューバダイビングの専門学校へ進学した。しかし、両親から「大学も受験してほしい」と言われ、半ば仕方なく大学を受験。結果、短大の夜間部に合格し進学することになった。
この時点では家業を継ぐつもりはなく、就職を考えたときに「短大卒では選択肢が限られるのではないか」という不安がありました。実際、卒業後にどこに就職するかまったくイメージできなかったんです。そこで、編入制度を利用して4年制大学へ進学し、最終的に大学卒の学歴を得ました。
しかし、就職氷河期の影響もあり、4年制大学を卒業しても安定した職を得るのは難しかった。そこで「いっそ環境を変えてみよう」と思い切って海外に飛び出すことにした。
ちょうど当時、当スクールで長年講師をしていたカナダ人の先生が「バンクーバーに来れば?」と声をかけてくれたのでカナダへ行きました。しかし、現地では英語が話せなくて大苦戦したんです。日本にいた時は「英語くらい何とかなるだろう」と思っていたんですが、実際に海外で生活すると、全然ダメでしたね。
その後、オーストラリアにも滞在し、英語の必要性を改めて実感。
「日本に帰ってもう一度、自分のキャリアを考えよう」と帰国し、家業の語学スクールを手伝い始めた。

共同生活から生まれるリアルな英語の世界
大阪イングリッシュハウスは、マンツーマンレッスンが基本。子ども向けに最大6人までの少人数制グループレッスンもある。このスクールの最大の特徴は、「住み込み型」というスタイルだ。英語をまったく話せない初心者でも生活の中で少しずつ英語に慣れていける環境が整っている。
普通の英会話スクールだと、レッスンが終われば日本語に戻りますよね?それだと、学んだことを日常で使う機会が少なく、なかなか身につかない。でも、ここでは、講師と一緒に生活するから、24時間英語が身近にあるんです。海外に行くと、「いきなり英語環境に放り込まれる」ことが多いでしょう?イングリッシュハウスでは、それと同じような毎日を過ごせるんです。
朝起きてリビングに行くと、講師が「Good morning!」と挨拶してくれる。食事の場では、「Can you pass me the salt?(塩を取ってくれる?)」といった自然な会話が交わされる。英語を「勉強する」ものではなく、「使う」ものとして身につけることができるのだ。
文法的に正しい英語を学ぶことも大切ですが、リアルな英会話ってもっとラフだったり、ニュアンスがあったりするんです。『How are you?』の返答一つをとっても、『I’m fine, thank you.』ではなく、『I’m doing great!』や『Not too bad.』などのほうが“生きた英語”に感じますよね。
また、生徒同士も、講師も、みんな英語を使う環境なので、「間違えたら恥ずかしい」という気持ちもなくなる。こうした環境の中で、無理なく英語を身につけられるのが、このスクールの大きな魅力だ。
しかし、このスクールの価値は「英語を学ぶこと」だけではない。ここでは、生徒や講師、スタッフが一緒に生活しながら、互いに学び、成長していくことを大切にしている。
うちのスクールでは「失敗を恐れず挑戦すること」も大切にしています。私の家では、失敗をポジティブに捉える習慣をつけるために、『失敗自慢』をすると500円もらえるルールがありました(笑)。子どもたちにも「失敗することは悪いことじゃない」と伝えています。スクール運営でも同じで、社員や生徒にも「チャレンジし続けることが成長につながる」と常に伝えています。
なお、入居者の各部屋には鍵がついており、ミニキッチンやバスルーム、トイレも完備。プライベートな空間はしっかり確保されている。しかし、ほぼ全員が部屋にこもることなく、リビングルームで多くの時間を過ごす。

世界に「日本人の居場所」を作りたい
渡辺氏には「海外に行きたい日本人が安心して飛び込める場所を作りたい」という想いがある。
これまでにもカンボジアでは、日本人が滞在しながら学べる語学留学プログラムを、ウズベキスタンでは、日本語学校の立ち上げを支援し、現地の若者が日本で活躍する道を作ってきた。
さらに、日本との関係がまだ深くないウルグアイなどの新興国にも可能性を感じている。
ウルグアイは、日本人がまだ進出していない分、競争が少なく、新しい事業を立ち上げる余地が大きい。ゼロから環境を作れるパイオニア的なチャンスがあると考えている。
また、海外投資やビジネス支援の分野でも活動の幅を広げている。生徒の中には、「いつか海外に住みたい」「海外で起業したい」と考える人も多く、渡辺氏は語学教育だけでなく、実際に海外で生きていくためのサポートを強化したいと考えている。
英語を話せるようになりたい人、海外に挑戦したい人、新しい環境で成長したい人にとって、ここは『最初の一歩』となる場所かもしれません。語学を学ぶことはゴールではなく、その先にある人生の可能性を広げる手段です。
渡辺氏が目指すのは、単なる英会話スクールではなく、海外に挑戦する人たちが集まり、学び、未来を切り開くための「拠点」となる場を作ることだ。
海外に出たいと思っても、いきなり飛び込むのは勇気がいるものです。だからこそ、まずはここで英語を使う生活に慣れてみてください。大阪イングリッシュハウスは、ただの語学学校ではなく、未来へ踏み出すための準備ができる場所です。ここで学び、挑戦し、成長することで、自分の可能性を世界に広げることができるはずです。

渡辺氏著作
