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ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ
動画 ピックアップ守口市医療・介護・福祉新着女性社長

ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ

2026.03.06
株式会社ゆいグループ





株式会社ゆいグループ / 代表取締役 永井由惠 氏



ミラーボールの光が天井を回る。ノンアルコールビールの缶がカ~ン、と鳴る。普段は部屋から出てこない利用者が、今日はカウンターに腰を下ろす。
そんな光景が、ごく当たり前にある。「スナックゆい」の日常は、介護の常識を軽々と超えていく。

守口、門真、四条畷。大阪東部エリアで介護から「街づくり」へ踏み出す女性がいる。株式会社ゆいグループの代表 永井由惠氏だ。
デイサービスや訪問介護にとどまらず、遺品整理、就労支援、スターバックスでの認知症カフェまで手がける。
なぜ彼女は福祉の枠を壊し続けるのか。その原動力は15年前に芽生えた「シュっとした直感」だった。

ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ


「介護、農業、スナック?」一見バラバラな事業が結びつく理由


現在、ゆいグループは、介護を起点に生活支援の周辺領域へと事業を広げている。施設内に「スナックゆい」を作って場を賑わせたかと思えば、スターバックスで認知症カフェを開催する。

さらには、遺品整理事業や障害者就労支援でのアクセサリー販売まで手がける多角ぶりだ。
特に永井氏の真骨頂は、その決断の早さにある。

農業への挑戦もその一つ。土に触れることが脳の刺激や癒しになるという確信からだった。

この時、農業の視察に行ったはずが、そこでニコニコ働く障害者の方を見て「就労B(就労継続支援B型事業所)をやろう!」って。1月にそう思って、7月にはもう立ち上げてました(笑)


良いと思えば即行動。この多角化は、介護業界の課題である「離職」への独自の回答でもある。

人事で採用した若い男の子を研修で遺品整理(清掃)の現場へ出したところ、「僕、こっちの方がいいです!」と志願。そのまま人事から現場へ異動させ、今では一番生き生きと働いているというから面白い。

介護が合わなくても、農業や片付けなら輝ける子もいる。適材適所で居場所を作れば、人は辞めない。

ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ
ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ


原点は25年前。「働かない」はずだった主婦の好奇心


今でこそ70名以上のスタッフを束ねるリーダーだが、その原点は25年前、驚くほど拍子抜けする理由から始まった。
介護保険制度の開始に合わせて養成学校が各地にできた。当時、全く働く気がなかった永井氏を動かしたのは、小さな好奇心だった。

最初は習い事感覚でした。「資格でも取ってみようかな」と思い、養成学校には内容も分からず行きました(笑)。


ところが、半年かけて資格を取り、実習で初めて現場に触れる。行けば行くほど面白くなる。まさに「天職」との出会い。卒業と同時に就職を決め、まだ幼かった子供を抱えながらパートとして働き出した。

現場で人に触れて、「あ、これ凄い好き!私にはまってる!」って直感しました。そこから一度も辞めたいと思ったことはありません。


現場で目撃した人生の教科書


現場に出て、彼女が一番のめり込んだのが在宅ヘルパーの仕事だ。

人によって雰囲気が様々異なる利用者さんの自宅に飛び込み、相手に合わせて自分を同調させていく。明るく振る舞うべきか、静かに寄り添うべきか。その試行錯誤が永井氏にはたまらなく刺激的だった。

そこで目撃したのは、利用者さんの「生き様」である。苦労の連続だった人生でも、一介のヘルパーに心底「ありがとう」を伝えてくれる人達。一方で、80歳を過ぎても数十年の恨み節を抱え、周囲とギスギスしてしまう人もいる。

人生の先輩の背中を見て、「将来あんなおばあちゃんになりたい」って生き方をリアルに学ばせてもらいました。自分が幸せになるには、周囲に感謝することが大事だと実感しました。


ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ

介護が嫌いになりたくない


そうして、介護の会社ではケアマネジャーまで務め上げ、現場のプロとして地歩を固めた。

しかし、そんな永井氏に転機が訪れる。当時の職場では、法令遵守を徹底する一方で、日々の現場に必要な育成やフォローが十分に行き届きにくい状況があった。指導が必要な場面では声がかかるが、良い仕事が見えにくい。そんな環境に、違和感を抱くようになった。

このままでは介護そのものが嫌いになってしまう。そうならないためには、自分でやればいいんだ!という思いがシュって降りてきたんです。


だが、起業の現実は甘くない。いざ独立すると、店舗探しから「手すり一本の設置」まで厳密に定められた施設基準という高い壁が立ちはだかった。専門知識のない主婦だった永井氏には、どこで誰に頼めば基準を通る改装ができるのかすら分からない。

わからないことはとにかく周りに聞きました。すると、友達が工務店さんを紹介してくれたり。私一人じゃ何もできない。助け合って結ばれないとダメなんだと気づかされました。だから、こういったご縁の感謝を忘れないよう会社名を「ゆい(結)」にしたんです。


最終目標は、誰もが混ざり合う「ユイタウン」を創ること


永井氏が目指すのは、かつての長屋のような、自然な助け合いがあるコミュニティだ。

お年寄りに「世話になって終わり」と思ってほしくないんです。洗濯物を畳むとか、チラシでゴミ箱を作るとか、誰かの役に立ったと思えると人は輝けるんです。


同時に、いくつになっても「ワクワクする楽しみ」があると生きる力になる。その思いから、スナックの開催を提案した。
ミラーボールを回し、ノンアルコールビールとつまみを用意して盛り上げる。すると、普段部屋から出てこない人も楽しそうに参加してくれるようになったそうだ。

その活動の輪は、施設の外にも大きく広がっている。
ゆいグループは大日イオンのスターバックスで「もりカフェ」を開催。認知症の方やそのご家族が、地域の人たちや医療・介護の専門職と交流したり、情報交換ができる場だ。

スターバックスさんとの縁をきっかけに実現しました。年配の方はもちろんのこと、介護をされているご家族、ボランティア活動に興味がある方、運営に関わってみたいという方など、誰でも参加できます。地域で交流が広がっていくのが理想です。


ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ

「あそこに行けば誰かいる」という安心感。みんなが自然に集まる「ユイタウン」を作るのが、彼女のビジョンだ。
一主婦の好奇心から始まった物語は、今、地域を飲み込む大きな「結び目」へと進化する。

介護は楽しいもんなんですよ。25年続けてきて、それは間違いない。


そう言い切る声は軽くない。規制も、人手不足も、家族の事情も、全部ひっくるめて現場を歩いてきた人の言葉だ。
助けられる側と助ける側を分けず、混ざり合える場所をつくる。
ゆいグループの“結(ゆい)”は、施設の中から地域へ、さらに外へと広がっていく。

ふつうの主婦の好奇心の物語は、今 地域を飲み込む大きな「結び目」へ



株式会社ゆいグループ
本社:大阪府守口市大久保町1-45-15
オフィシャルサイト:https://yui-group.jp/