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接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心
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接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心

2026.03.15
株式会社アンドスマイル





株式会社アンドスマイル / 代表取締役 蒲ケ原 裕子 氏



接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心

日本の歯科医院の数は約6万8千件にのぼり、全国に約5万7千件あるコンビニエンスストアよりも多い。2025年の歯科医院の倒産件数は25件。休廃業・解散を含めると合計147件に達し、2024年に次ぐ過去2番目の高水準となっている。適切な治療を行うだけでなく、他院にはない価値を持たなければ生き残れない時代なのだ。大阪市北区の株式会社アンドスマイルは、そうした状況下にある歯科クリニックに対し、組織活性化のための従業員教育などを行っている。創業者の蒲ケ原裕子代表取締役に、社の成り立ちを聞いた。

私は以前、美容系の会社で社員教育や人材育成に携わっていました。ところがその会社が清算することになり、『人生は一度きり。やりたいことにチャレンジしよう』と決意して起業したのです。当初は前職のつながりでエステティックサロンからの依頼が中心でしたが、ある講演に足を運んでくださった歯科医師の先生方から『ぜひ、うちの医院でも指導してほしい』とお声がけいただいたのが転機となりました。そこから口コミで、歯科業界へと活動の場が広がっていったのです

同社が手掛けるのは、歯科助手(※1)の育成、スタッフ教育マネジメント、ホスピタリティマネジメント、電話応対講座、そして接遇・接客指導だ。蒲ケ原氏が現場で目撃し、改善の必要性を痛感した項目をカリキュラム化している。

※1  歯科助手(しかじょしゅ)は「歯科医師や歯科衛生士がスムーズに治療を行えるようサポートする、歯科医院のマルチプレイヤー」です。特別な国家資格がなくても働けるため、未経験からスタートする方も多い職種ですが、仕事は、大きく分けて「診療補助」「受付・事務」「準備・片付け」の3つとなります。一方歯科衛生士(しかえいせいし)は、一言で言えば「お口の健康を守る予防のスペシャリスト」です。歯科助手との大きな違いは、国家資格を持ち、専門的な知識に基づいて「患者さんの口の中に直接触れて処置ができる」という点にあります。  

接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心


スタッフの方々は、患者様に対して丁寧に接すべきだと自覚されています。しかし、院長とスタッフ、あるいはスタッフ同士の関係性において、課題がある場面を多く目にしました。患者様には丁寧なのに、身内には乱暴な言葉を使ってしまう。患者様の心情を汲み取れず、ただ作業をこなすだけの現場……。これらは悪気があるわけではなく、正しい在り方を知らないだけなのだと感じました。一般社会の常識と歯科業界の常識とのギャップ。そこを埋めるために、丁寧に伝えていくことが大切だと考えています


「接遇」と「接客」は異なる。より重視するのは「接遇」の精神



指導の流れは、まず1日かけた座学研修から始まり、次に実際の現場での見学へと続く。午前中の仕事の様子から具体的な問題点を抽出し、改善へと繋げていくスタイルだ。研修で特に重きを置くのが「接遇」の真意を理解してもらうことである。接遇は同社の指導の背骨だ。

接遇は単なるマナーや礼儀作法と思われがちですが、私たちの定義は異なります。接客やサービスは、対価を得るための『仕事(業)』の一環です。一方で、接遇やホスピタリティ(※2)には『業』という言葉は付きません。利益を追求する以前に、目の前の人をどう敬い、どう扱うかという『目に見えない心遣い』が本質です

※2   ホスピタリティ(Hospitality):相手に対する「思いやり」「心からのおもてなし」を指す。単なる義務的なサービスとは異なり、相手の期待を超える配慮によって深い信頼関係を築く自発的な行動。
空間作りや言葉選び、関わり方はすべて接遇に含まれます。歯科現場での接客サービスに、プラスアルファの付加価値として接遇が存在するのです。相手の立場に立ち、自分に何ができるかを考え、時間を大切に扱う生き方。接遇は目に見えませんが、働く人とクリニック自体の価値を確実に高めます。だからこそ、これを何より大切にしましょうとお伝えしています


接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心

単なる従業員教育ではなく、「人づくり」であり「組織作り」



歯科クリニックの院長からは、人材育成に関する切実な相談が寄せられるという。

言葉遣いや電話応対へのクレーム、離職の多さ、そして幹部が育たないといった悩みですね。スタッフ同士の仲は良くてもリーダー不在で、組織として機能していないケースも目立ちます。接遇は人間関係を円滑にするものですが、仕事である以上、リーダーシップも不可欠です。私たちは、そうした次世代のリーダーを育てる支援も行っています

歯科クリニックは一般的な事業会社とは異なり、独特の組織構造を持つ。それゆえのアプローチが必要だ。

現場では全員がプレーヤーです。デスクで指示だけを出す人はいません。全員が動き回る中で、誰が全体を俯瞰し指示を出すのか。その役割を担う幹部を誰にするのか。客観的な分析をもとに院長と対話を重ね、『この方がリーダーに相応しいのでは』と提案することもあります。リーダー育成には3年ほどかかりますが、じっくり腰を据えて組織作りをお手伝いしています


接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心

同社が提供しているのは、単なるスキル研修ではない。歯科クリニックにおける「人づくり」そのものなのだ。

今でこそ歯科業界でも接遇研修は常識になりつつありますが、以前は『腕さえ良ければいい』という風潮もありました。しかし今は、接遇によって院内が活性化することを多くの先生方が理解されています。接遇がスタッフの成長を促し、それが強い組織を作っていく。その重要性が業界全体に浸透してきたと感じています

その取り組みは、各医院独自の「文化」を醸成することに近い。

研修では『院風(いんふう)』を作りましょうと呼びかけています。その医院ならではの空気感。人間関係や空間が良ければ、それは必ず患者様に伝わり、『またここに来たい』という動機になります。単なる治療の場を超えて、励まされ、認められる場所になる。そんな歯科医院が増えるよう、支援を続けていきたいですね


法人化8期目。足腰を固め、さらなる領域拡大へ



接遇の精神は、自社組織に対しても向けられている。自社のスタッフを育てる難しさについて、蒲ケ原氏は苦笑混じりに語る。

ゼロから作り上げてきた想いをスタッフに承継するのは、本当に難しいことでした。以前は私の意図が十分に伝わらず、退職者を出してしまった苦い経験もあります。転機となったのは、現スタッフの助言で、自分の考えを『明文化』したことです。講師用テキストを作成し、各言葉の背景にある意図を明確にしました。それにより、スタッフ育成の道筋がようやく整いました

独立から10年、法人化して8期目。現在は歯科業界に特化して基盤を固めているが、将来を見据えた展望は広い。

会社が成長すれば、貢献できる範囲も広がります。他業界への進出や、新たな業態への挑戦も視野に入れています。5年後、10年後には『接遇研修といえばアンドスマイル』と誰もが認めてくれる存在になりたい。接遇が人材教育に欠かせないインフラとして認知される未来を目指しています


接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心

経営者として成長を追い求めつつも、その根底にある接遇の精神が揺らぐことはない。それこそが、株式会社アンドスマイルのアイデンティティなのだ。

接遇の精神で歯科クリニックの成長をサポートする、おもてなしの心

株式会社アンドスマイル
本社:大阪市北区曽根崎新地2丁目3番13号 若杉大阪駅前ビル9階
オフィシャルサイト:https://www.and-smile.jp/