Vision Match Osaka
企業とセラピストを結びつけ、社会全体の健康リテラシー向上を目指す、若き起業家
大阪市北区情報・教育・サービス

企業とセラピストを結びつけ、社会全体の健康リテラシー向上を目指す、若き起業家

2022.10.21
株式会社カラダコモン

株式会社カラダコモン 代表取締役 白井佑太 氏2>                                                                

人生には、いくつかの転換点がある


柔道整復師と鍼灸師の有資格者であり、企業と登録セラピストをつなぐマッチングサービスを行う株式会社カラダコモン 代表取締役 白井佑太氏にとっても、もちろんそうだ。

企業とセラピストを結びつけ、社会全体の健康リテラシー向上を目指す、若き起業家



少年時代の白井氏は、甲子園出場とプロになることを夢見ていた。しかし中学時代に利き腕の右肘を故障し、野球を続けられなくなってしまう。これが、最初の転換点。

同級生たちが野球をやっている姿を見るのも嫌だったので、野球部がない高校に進学しました。高校時代のとくに最初のころは、今も記憶がないほど暗い時期でしたね。やがて進路を決めるころに、野球をやっていましたのでスポーツに携わる仕事をしたいなと考えて、トレーナーになろうと思ったんです。それで柔道整復師の資格を取るために、専門学校に行きました。



プロを夢見た野球をケガで断念し、柔道整復師・鍼灸師の道に


しかし在学中に、トレーナーになるのは現実的に難しいことが見えてきて、方向転換をする。
二つ目の転換点だ。

鍼灸師の資格を取って治療の幅を広げたいなと思い、次に鍼灸の専門学校に通ったんです。そこを卒業してからは、訪問鍼灸を行う治療院に勤めました。身体が動かせないような高齢者の方が中心でしたが、お若い方でも脳梗塞を発症された方であったり、難病の疾患を抱えられている方のご自宅にお伺いして、日常生活において動作をしやすくできるように鍼灸で治療させていただいてました。

ここで1年ほど務めたのち、独立を決心する。


20歳くらいのころから漠然と独立を考えていて、勤めた訪問鍼灸がすごくシンプルなビジネスモデルだったので、これならいけるかなと思ったんです。それで、そこの会社の会長さんと相談して、独立するうえで最初に患者様を少し供給してもらう支援をいただきました。


これを約3年間続けるうちに、白井氏の頭にあるアイデアが浮かんだ。
これが、三つ目の転換点である。

訪問鍼灸を個人でやっている間に、今のカラダコモンでやっている法人向けの福利厚生サービスと結びつけられるんじゃないかと考えたんです。とはいえ法人様を相手に、鍼灸では事業として成立させるのは難しい。じゃあ柔道整復師の資格を活かして、リラクゼーションのサービスを提供すれば成り立つはずだと。


柔道整復師であり、鍼灸師でもある白井氏は訪問鍼灸の経験を通じ、身体を整える者としての思いを改めて深めた。

僕は身体のことをずっと勉強してきたので、健康に関する知識や、身体については『これが常識だ』みたいな考えがあります。ところが訪問鍼灸で患者様と接してみると、そういうことをあまり知らない方がほとんどで、言い方は良くないかもしれませんが、健康面へのリテラシーがすごく低いなと感じていたんです。


企業とセラピストを結びつけ、社会全体の健康リテラシー向上を目指す、若き起業家


人々に健康へのリテラシーを高めてほしい


みなさんは自分の健康について、どれほど関心を寄せているだろうか。20代、30代、あるいは40代くらいまでだったら、若さと体力で乗り切れるかもしれない。だが多くの人は50代を迎えるころから、それが通用しなくなってくる。若いころに身体のメンテナンスを怠ってきたツケが顔を出し始め、あちこちに痛みや不調が表れ始めるのだ。

そうです、本当にそうなんですよ。みなさんにはもっと自分の身体と向き合って、健康に関するリテラシーを高めてほしいと思っているんです。法人様に福利厚生でサービスを利用していただくのには、治療や癒すという名目もあります。ですがそれ以上に、全国でたくさんの法人様に介入することで医療人と関わるきっかけができて、社員の方々が自分の身体を気にかけるようになっていただければという思いが、カラダコモンを始めた大きな動機なんです。


会社を設立したのは、2021年8月。ときはコロナ禍真っ最中で、接触型のサービスが敬遠されていた時期に、なぜこの事業を立ち上げたのか。

これは格好をつけているわけではないですが、あえてというところもありました。カラダコモンで展開している事業の強みは、やはり人と人の触れ合いだと思うんです。最近はテレワークが普及していって、人と人とのあいだに距離が出てきている。そんな今だから、治療をしている身としては、こういう対人でのリアルなサービスにこだわっていきたい思いがあります。たとえば最近は先生がオンラインでアドバイスして、患者様がそれを実践して治していく、オンライン治療みたいなものもあるんです。


施術者が患者に触れずに治療をする。効果があるとはにわかに信じ難いが、白井氏はこれを真っ向から否定はしない。新しい形の治療の存在を認めながら、自身の根本とポリシーは揺るがさない。

オンライン治療などもいいとは思いますが、僕は人と接して人を癒す、治すというのは、今後も絶対に変わらない。これからロボットが出てこようが、僕らに変われるものはないと思っているんです。身体を触るだけであれば、ロボットでもできます。だけど本当にいい治療をするのには、対話がすごく大事なんです。ロボットはもちろん、人がオンラインでやっても、微妙なニュアンスがつかみ取れません。患者様の身体に触って反応を聞かせてもらい、それを治療にフィードバックさせていく。対話を含めてが僕ら鍼灸師、柔道整復師の治療なんです。


そんな白井氏自身は、カラダコモンが行うサービスの社会的価値について、どう考えているのか。

今は全然インパクトを出せていませんが、先ほどお伝えさせていただいたようにカラダコモンのサービスを通じて、ご自分の身体を気にする人々が増えてくだされば、社会的にも意味があることだと思うんです。


企業とセラピストを結びつけ、社会全体の健康リテラシー向上を目指す、若き起業家


自らの身体をケアする人々の実状を交えながら、話を続ける


身体のケアを受ける場所は治療院やリラクゼーション、サロンなどいろいろとありますが、それらを利用しているのは人口全体の2割程度なんです。そのほかのほとんどの方は、とくに男性が多いのですが、どこかが痛くなってからでないと行動しない。それはやはり、良いこととは言えません。そうではなく定期的に自分の身体をいたわって、メンテナンスしていくのがとても大事だという意識を、社会に広げていきたい。


初めての営業活動に四苦八苦、当初は苦労の連続だった。
会社として動き始めて、まだ1年あまり。今もそうだが、設立当初は想像していた以上に苦労の連続だった。

とくに、顧客を獲得するための営業活動が大変ですね。もちろん僕は、営業の仕事をした経験はありません。これを始めるにあたっては法人営業をしないといけないことはわかっていたのですが、今振り返るといい意味でも悪い意味でも、『できるやろう』みたいな感じでなめていた部分がありましたね。

はじめての営業活動。ノウハウもなく当然、上手くいかないことも続いた。

実際に始めてみたら、最初の1ヶ月でこんなに大変なんだって面食らって、心が折れました。テレアポをして最初は調子が良くても、4件目くらいで怒鳴られるとまではいかなくても『なんで、こんなに冷たい対応をするんだろう。もっと優しく断ってくれたらいいのに』ということもあって……。それでちょっと怖くなって、次に電話をかけるまでに15分くらいためらうこともありましたね(苦笑)。


現在も知り合いからの紹介を得るなどで自ら足を運ぶ一方、営業面でのパートナーも得て顧客獲得に奮闘する。このまま事業を伸ばすことに邁進するのかと思えば、ここに来てまたも転換点がやってきた。

企業とセラピストを結びつけ、社会全体の健康リテラシー向上を目指す、若き起業家


『あり得ない』方向に転換、その真意とは!?


独立した当初から自分のなかでは『店舗を持ってやることは、あり得ないな』と思っていたのですが、実はこの秋(2022年)に名古屋で店舗を出すことになりました。


まさかの展開だ。自ら示していたベクトルの方向を、逆に振ることになったのか。しかし詳しく話を掘り下げると、まったくの方向転換ではなく、カラダコモンの取り組みを広げるために必要だと考えての決断だった。

法人様にカラダコモンのサービスをお伝えする際に、やっぱり店舗がないと、なかなか信用していただけないんです。僕も実際にいろいろと動いてみて、確かにそれを感じていました。店舗があれば僕らが企業様に伺うだけではなく、従業員様に福利厚生を利用してお店に来てもらうこともできます。住所があってそこに自分の店舗があり、実際にやっている。そうすることで、信用が得やすくなると思うんですよ。



名古屋で店舗経営をしながら、毎週大阪に戻ってカラダコモンの取り組みも継続していく。店舗型とセラピストと企業をマッチングさせるサービス。その両輪で動いていくつもりだ。

見方によっては、今の白井氏は暗中模索していると捉えられるかもしれない。自身も「今の僕には、なにもないですからね」と自嘲する。だが無は有であり、なににでもなれるのだ。それに白井氏には“まだ29歳という若さと、自らの発想を形にしようと動き回る行動力がある。動かないと、流れは澱んでいくばかりである。

動き回り、あがき続ける。
白井氏は自分自身とカラダコモンに、どんな未来を切り拓くのだろうか──。

企業とセラピストを結びつけ、社会全体の健康リテラシー向上を目指す、若き起業家



株式会社カラダコモン

大阪市北区梅田1-2-2-200
オフィシャルサイト:https://karadakomon.com/