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眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する
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眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する

2025.11.09
日の本寝具株式会社






日の本寝具株式会社 / 代表取締役 髙谷和志 氏



「日本の健康を眠りから支えたい」ーそんな思いを発信する日の本寝具株式会社代表取締役の**髙谷和志(たかたに かずし)**氏。同社の拠点は大阪の商売の中心地・船場だ。髙谷氏は船場商人の教えである、売り手・買い手・世間の「三方よし」の精神を引き継ぎ、寝具を通じて眠りの価値を船場から広げている。三代続く同社の、これまでの足跡と今後の展望について伺った。

眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する
三

眠りから始まった、家業の原点。品質へのこだわりは初代社長から



同社の歩みは、1929年に髙谷氏の祖父が立ち上げた「髙谷ふとん店」から始まる。

眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する

祖父は奈良県香芝市出身で、農家の長男でした。しかし親戚が大国町で営んでいた肌着店を手伝ったことがきっけで商売に目覚め、そこから行商を始めて資金を貯め、鶴橋で店を出しました


祖父は綿の品質に徹底的にこだわっていたという。質の良い綿は、何年使っても打ち直すことでふっくらとハリを取り戻す。かつてはひとたび布団を購入すると、親から子へ、孫へと古くなった布団を座布団に打ち直しして受け継がれ、家族の思い出と共に嫁入り道具になったのだ。
製品と顧客に誠実に向き合った創業者は、やがて地域の信頼を集める存在へと成長していく。

戦時中の経済統制は祖父にとっても大変な時代でした。戦時下では誰もが自由に商売できるわけではなく、営業には認可が必要でした。その判定は地元での“投票制”だったそうです

地域住民の投票で販売権を得ることに成功したという創業者。「あの時地域の方々から指示いただけたことが、祖父にとって信用の大切さを知ると共に、飛躍のきっかけとなった」と明かす。
戦中・戦後の混乱を経て、1948年には現在の場所である船場へと移転。社名を「日の本寝具株式会社」として法人化に踏み切った。
「眠りで日本を元気にしたい」「日本らしいものづくりを世界に発信したい」――そんな創業者の想いが、“日の本”という名前に託されたのである。

転機は祖母へのプレゼント。オーダーメイド枕の第1号が人生を変えた



移転後ほどなくして髙谷氏の父が二代目を継承する。父親の代では1970年代の石油ショックやその後の不況など、日本経済を揺るがした経済危機に直面している。

父の代で何度か倒産の危機があったことから、拡大路線ではない堅実な経営は、自社オリジナルのサービスにこだわった『他人の看板で商売をしない』という教えとともに当社の基本的な軸です

髙谷氏は2010年に事業を継承。日々店頭に立ち、接客する中で気づいたことは眠りの悩みを訴える人の多さだった。

時には仕入れ商品の枕のクレームをもらうこともありました。せっかく買ったのに寝心地が悪く眠れないと。そんな声をいただくうちに、自分たちで商品開発をする必要があるのではという声が、社内からも出るようになりました

その頃、ある一つの出来事が髙谷氏の進む道を大きく変える。介護施設に入所していた祖母が「枕が合わずよく眠れない」と訴えたのだ。

祖母のために、高さを調整した簡易的なオーダーメイド枕を作ったんです。そうしたら『よく眠れるようになって体が楽になった』と、涙を浮かべて喜んでくれて…まさか寝具を変えるだけでこんなにも変化があるとは思ってもみなかったんです


枕は、こんなにも人の人生を変えるのかーその手応えと祖母の笑顔が、彼に火をつけたのである。

眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する

「人生が2倍トクした」ー続々と届く喜びの声が自信に



髙谷氏は以後、“1人1人に合わせてつくる”オーダーメイド寝具の道へと本格的に踏み出す。同社のこだわりは徹底したカウンセリングである。オーダーメイド枕の製作には、まずは睡眠の悩みを聞き、起床時や普段の体の状態、現在使っている寝具の特徴や素材などをヒアリングすることからスタートする。枕は首と頭の位置がベストポジションになるまで、高さや柔らかさを何度も微調整するのだ。フィッティングにはベッドが並ぶ店舗で、現在使っている敷き寝具の寝心地を再現し、体の沈み込みと枕との相性を調整する。仰向けの姿勢だけでなく寝返りを打ったときに違和感がないかにも目を配る。

「枕は使ってみないとわからない商品です。そのため当社では販売後も1年間、無料でフィッティング調整を行なっています」と話す。
髙谷氏の元には、枕を変えただけで「朝から身体が軽くなった」「気力が高まり、やりたかった趣味に挑戦出来る様になった」「人生が2倍トクした」といった声が続々と届く。中には、睡眠が改善したことで、今まで健康に自信がなかったのに、水泳マスターズ全国大会に
に出場した人や、ヨガ講師として新たな人生を歩み出した人もいるという。
寝ることは、ただ休むことではなく、次に進む力を蓄えることなんです


眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する

寝具は人生を変える。「美しい眠り」で日本を支える



美しく眠る――“美眠(びみん)”という言葉を掲げ、日本人の睡眠への認識そのものを変えたいという髙谷氏。
今、髙谷氏は「大阪No.1のオーダーメイド寝具の製造販売」そして「お昼寝文化の普及」という二つの目標に挑んでいる。

日本は今、世界で最も「眠れていない国」なんです。寝不足、質の低い睡眠、そして“昼寝”を怠けとする文化。そうした意識を変えていきたい


眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する

若者たちの間にも“いい眠り”への意識が芽生えつつある今、同社の寝具は20代女性や働く世代にも広がり始めている。現在はオーダーメイドのマットレスも販売。遠征などで移動の多いアスリートからの依頼を受けて、乗り物の中や職場で使えるネックピローも開発した。これらの取り組みは健康経営を掲げる企業からも注目を集めるなど、髙谷氏の活動は広がりを見せている。

眠りの価値を船場から発信。オーダーメイド寝具で日本人の健康に貢献する

睡眠が変われば、家庭が変わり、地域が変わる。そして、日本も元気になる

その言葉の奥にあるのは、創業者である祖父の想いと同じ、“眠りで人を支える”という強い信念だ。
祖父が大切にしていた船場商人の教えである「三方よし」の精神――売り手よし、買い手よし、世間よし。目先の利益ではなく、長く使えるものを丁寧に作り、喜ばれ、信頼される商売を続けること。時代が変わった今も、眠りを通して人々の暮らしを良くしたいという願いを胸に同社は走り続ける。
まもなく創業100年。
一枚のふとんから始まったこの物語は、いま、新たな時代へと継がれていくのである。

日の本寝具株式会社
本社:大阪市中央区久太郎町3-4-17
オフィシャルサイト:https://www.senba-futon.com/