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「会社が嫌い!だけど人が大好き!」 たまたま入った会社で、<人間力>を高める6代目社長
大阪市東淀川区製造・メーカー新着

「会社が嫌い!だけど人が大好き!」 たまたま入った会社で、<人間力>を高める6代目社長

2026.01.23
株式会社相互ポンプ製作所

株式会社相互ポンプ製作所 / 代表取締役 平見和也



ポンプの製造・販売・メンテナンスを一貫して手掛ける老舗企業、株式会社相互ポンプ製作所(以下、相互ポンプ製作所)。その歴史は古く、前身となるポンプ製作工場は大正15年の創業だ。
相互ポンプ製作所のポンプは、顧客の要望に合わせた完全オーダーメイドを強みとし、堅牢型設計の為、一般的なポンプより長期間の使用に耐えられるよう設計されている。
長年の歴史と確かな技術力。しかし、代表取締役社長 平見和也氏の口から出たのは、意外な言葉だった。

「私、会社が嫌いなんですよ。」

「会社が嫌い!だけど人が大好き!」 たまたま入った会社で、<人間力>を高める6代目社長


唯一のモチベーションは社長になること


平見氏のキャリアの始まりは型破りなものだった。
大学時代、平見氏は武道・日本拳法に打ち込み、秋の大会が終わるまで就職活動は一切していなかったそうだ。そんな平見氏を見かねた大学の顧問の先生の紹介で、相互ポンプ製作所の面接を受けることになる。

事前に「パンチパーマはダメだ。散髪に行って髭は落としてこいよ」とだけ言われていたため、言われるがままに身なりを整え、指定された梅田の喫茶店へ向かった。すると、いきなり「紀伊國屋(書店)へ行って履歴書を買ってきなさい」と先生から指示があった。

その場で先生の指示通りに履歴書を書き、その足で会社に連れて行かれました。その時はポンプが何かさえ、全くわかってなかったですね。


その後、正式な採用通知がないまま2月になった。顧問の先生から「電話して聞いてみろ!」と言われ、こちらから電話したところ採用が決定。晴れて4月からの入社が決まった。

体育会系で縦社会の常識を叩き込まれた彼にとって、入社した会社の雰囲気は衝撃的だった。
年下の社員が部長や社長にため口をきく。その光景に馴染めず、会社への不満が募っていく。唯一のエネルギーとしたのが、応募前に聞いていた「この会社は同族経営ではないから、頑張れば社長を目指せる」という顧問の先生の言葉だった。

社長になると見える景色は変わるのか。そこだけに興味がありました。


社内への関心が薄い分、興味は自然と外へ。顧客との関係構築に没頭し、「社長就任時に御社との仕事がなければ、会社は辞めていました」と得意先に伝えるほど、社外の顧客企業に深く入り込み、温かい人間関係を築いていった。

会社が嫌い、でも人は好き


43歳の時、平見氏を病魔が襲う。半年間の入院が必要だった。その知らせを聞いた時の心境が、平見氏の「会社嫌い」を象徴している。

会社が嫌いだったので、その時も、「会社を休める」と深刻に考えないようにしました。


しかし、この闘病生活が自身のもう一つの本質に気づかせる。
治療を始めた頃、平見氏の元へは会社の同僚が見舞いに訪れ、ある社員は毎日メールをくれたそうだ。会社という組織は嫌いでも、そこで働く「人」との繋がりは、かけがえのないものになっていたのだ。
退院後に訪れた得意先でも、心配していたからこそ出てくる、ぶっきらぼうな一言を贈られる。

「何してんねん!社長殴ってクビになったんかと思ったわ!」と言われて。それがたまらなく嬉しかったですね。


長年築いてきたのは、ビジネスライクな関係ではなく、心で繋がる人間関係だった。

「会社が嫌い!だけど人が大好き!」 たまたま入った会社で、<人間力>を高める6代目社長


社長就任後は人間力を強化


平見氏の転機は、先代である5代目社長の就任と共に訪れた。
旧来のやり方を改革しようとする先代の方針は、会社の雰囲気に不満を持っていた平見氏にとって<渡りに船>。

当時の会社のやり方に不満があったので、先代の改革は自分にとっても都合が良かったんです。前社長の方針に乗り、付いていくことで評価され、部長を経てすぐに役員になりました。そして、先代社長が退任するに伴い、その後を継ぐことになりました。


社長に就任した平見氏が始めたのは、自身が嫌っていた「会社」の仕組みを、「人」のために作り変えることだった。
属人化していた業務体制を改め、各部門長にリーダーとしての自覚をもたせ、組織として機能する体制を構築しようとしている。
そして、社員には自身の経験から得た哲学を説いた。

顧客第一とは顧客の言いなりになることではない。顧客が「何かあれば一番に思う浮かべ相談してくれる」という信頼を築き、自社の一番のファンになってもらうことです。


そのために掲げた理念に「人間力」の向上を掲げた。
従来の「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5Sに「作法」を加えた6Sを導入して、人間力の高い社員が良い製品で顧客を喜ばせる好循環を目指している。

平見氏の社員への愛情は、毎朝の日課にも表れている。

通勤電車の中で、必ず社員全員の顔を思い浮かべます。「今日はあいつ来てるかな?」「昨日休んでたけど大丈夫かな?」とか。会社という枠組みは嫌いなんですが、社員は好きなんですよ。


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社員とその家族が誇れる会社へ


その愛情は、社内にある一台の自動販売機のエピソードによく表れている。はじまりは、熱中症対策として飲み物を100円から50円に期間限定で値下げしたことだ。しかし、期間が終了し元の値段に戻そうとすると、社員から「高くて買えへん(笑)」という声が上がった。

「倍になった気がするんでしょうね。それで、50円のままにしようか、と。」


社員の声を受け、平見氏は値下げの恒久化を即決した。しかし、話は終わらない。
次に上がってきたのは、「50円だと小銭の用意が面倒だ(笑)」という声だった。

それやったら、と。もうスマホ携帯でピッて買えるようにしたんです。業者さんに頼んで、付けてもらいました。


社員の小さな不満に耳を傾け、コストをかけてでも応える。平見氏が目指す「人間力」の高い組織とは、こうした日々の思いやりの積み重ねなのだろう。その先に見据える会社の未来像を、平見氏はこう語る。

家族や子どもに「お父さんの会社はこんなんや」「私の会社はこうなんだ」と自慢できる会社にしたい。そして、定年するときに「相互ポンプで良かったな」と思ってもらえる会社にしたいですね。


「会社が嫌い!だけど人が大好き!」 たまたま入った会社で、<人間力>を高める6代目社長



株式会社相互ポンプ製作所
本社:大阪市東淀川区小松1丁目18番19号
オフィシャルサイト:https://www.sogopump.co.jp/