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顧客の要望も社の成長も、結果にコミットする 高周波焼き入れを専業とする“金属のジムトレーナー”
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顧客の要望も社の成長も、結果にコミットする 高周波焼き入れを専業とする“金属のジムトレーナー”

2025.08.25
株式会社熱研





株式会社熱研 / 代表取締役社長 岡田 正義 氏



“金属のジムトレーナー”を自称し、熱処理金属加工を行う企業が大東市にある。株式会社熱研である。同社が得意とするのは、金属を硬化させる高周波焼き入れ加工。これは金属全体ではなく、必要な部分に急加熱・急冷却を施すことによって、金属を硬化させ、耐摩耗性、耐疲労性、粘り強さを向上させるもの。顧客からの要望に応じ、寸分の狂いもない品質に仕上げる技術が自慢だ。自称する“金属のジムトレーナー”について、代表取締役社長 岡田正義 氏が解説する。

顧客の要望も社の成長も、結果にコミットする 高周波焼き入れを専業とする“金属のジムトレーナー”

この仕事を筋トレに例えると、金属の加工部分=体の鍛えたい部位、加熱装置=トレーニングマシン、加工を行う職人=パーソナルトレーナー、装置を扱う技術=筋トレの指導となります。私たちは金属を鍛える仕事をしていまして、『金属のジムトレーナー』としているのはそういった理由からなのです。一時期、フィットネスジムのCMがよく流れていたじゃないですか。それを見ていて、自分たちがやっているのは金属のトレーナーやな、と思いついたんです

熱研社が得意とする高周波焼き入れ加工については、下の画像を参照いただきたい。

顧客の要望も社の成長も、結果にコミットする 高周波焼き入れを専業とする“金属のジムトレーナー”


お客様からお預かりした金属製品に対して、必要とされる箇所に高周波焼き入れを施し、求められた品質に仕上げてお戻しするのが私たちの仕事です。高周波焼き入れという技術自体は弊社独自のものではなく、一般的なものです

主な取引先には、誰もが知る自動車メーカーや重工メーカー、農機具メーカーの名前がずらりと並ぶ。高周波焼き入れ自体は一般的だというが、名だたる各社が信頼を寄せているのは熱研社の技術だ。

顧客の要望も社の成長も、結果にコミットする 高周波焼き入れを専業とする“金属のジムトレーナー”

各社ごとに厳格な条件設定がありまして、同じ加熱方法をとっているか、加熱時間と冷却時間はそれぞれどのくらいか、加工方法は毎回同じであるかなど、たくさんあるんです。それに基づいて品物を作ることで、安定したものができるという保証をお客さんの要求事項に則ってやっています。1,000個のうち、基準に満たないものが1個でもあってはならない。1,000個作れば1,000個同じものができるのが当たり前。それが、弊社の管理体制です


三代目を継ぐことは想定外だった それでも受け入れたのは、社への愛



岡田氏は社の三代目。創業者は血縁のない人物で、当時一緒に働いていた父親が社を引き継いだ。岡田氏は卒業後、一般企業に就職。父親の跡を継ぐことは、既定路線ではなかった。

創業者と父は血縁関係はございませんが事業を承継し、その後の後継者の有無については取引銀行からも確認を受けており、常に課題となっておりました。そんなある日、父親が僕が働いていた会社に来て、勤め先の社長に『息子を返してくれ』と言ったそうなんです。そうなんですと言うのは、僕はそのことをまったく知らなかった。昼ご飯を食べに行こうとしていたら、前から歩いてきた先輩に聞かされたんです。とんでもなく驚きましたよ。経営畑の仕事をしていたわけではないし、ここを辞めて同じような給料が確保できるのかなど、不安や戸惑いはありましたね

結婚をしていて、子どももいた。安定した生活を変えることに、迷いがあったのは否定できない。それでも入社を決めたのは、熱研社への愛着であった。

顧客の要望も社の成長も、結果にコミットする 高周波焼き入れを専業とする“金属のジムトレーナー”

この会社は、僕が生まれたころにできたんです。小さいころから会社に遊びに来ていて、先々代にもかわいがってもらっていました。その会社を父親が引き継いだころから、次は自分がやらなアカンかなとは、どこか頭の片隅にあったのでしょうね。父親から会社勤めのときと同じ給料はなんとかすると言ってもらえたのも、決め手になりましたかね(笑)

家業に戻ったが、昔気質の父親とはあらゆるところで衝突した。自身の仕事に関するマニュアルがあるわけでもなく、父親が教えてくれるわけでもない。一時は崩壊寸前まで関係が悪化した。その雰囲気の悪さが社内にも伝播したのか、多数の退職者も発生。このままではいけないと岡田氏は大東市金属加工連携グループ(※1)やいろいろな団体に加入するなど、積極的に外に飛び出して経営を学んでいった。そうして、2018年に社長に就任することとなる。

※1 大東市金属加工連携グループは、大阪府大東市に拠点を置く金属加工業者が中心となって結成された企業連携グループ。
https://kinzokukakou.biz/


社長就任の2018年が転機 社を変えるため、自分を変えた



僕が社長になった2018年が、自分にとっても会社にとっても転換期でしたね。それと前後して中堅どころの社員が一気に退職してしまい、あれは本当につらかったです。そういったこともあって、会社を良くするには、まずは自分自身が変わらないといけないと感じました。以前の僕は上の立場からものを言うばかりで、従業員にとっては怖い存在だったと思うんです。それからは従業員と面談したりするなど、同じ目線でコミュニケーションを図るようにしました


社長就任と前後して、父親との関係は互いのスタンスを守り合う形に落ち着いたという。とはいえ、歯車がずれていたそれまでの社内状況は、一朝一夕に変わるものではない。それでも自分を変えるため、会社を変えるため、社員と同じ目線に立つことを続けた。社長就任から8年が経ち、それが実を結びつつある。

僕は毎週金曜日に、会社のトイレ掃除をしているんですよ。だけど会合があったりして、それができないこともある。そんなときに『社長がいなかったので、代わりにやっておきました』という従業員が現れ始めたんです。見てくれている人は見てくれているんだな、と思いました。僕自身がもっと努力しないといけないのは当然ですが、自分がやっていることが間違っていなかったんだと感じられて、うれしかったんです。そういったうれしいことが、最近は少しずつ増えてきましたね


顧客の要望も社の成長も、結果にコミットする 高周波焼き入れを専業とする“金属のジムトレーナー”

業績に目を転じると、「正直、多少は下がっていますね」と岡田氏。それには少なからず、世界情勢が影響している面もあるだろう。だがそんな今だからこそ、外的要因ではなく、社の強化に目を向ける。
社内を強い体制にしないと、仕事の幅を広げられなくなります。これまでは紹介で仕事をつないできましたが、経営者の世代が変わるとそうもいかなくなるんですよね。今後は自分たちからアピールしていくことも、必要になってくるでしょう。言うなれば今は、会社としての足腰をあらためて鍛え直している時期なのかもしれません。まだ少々時間はかかるかもしれませんが、全体を取りまとめられる人材を育成して、僕が考えている方向性に会社が進めるようになれば、現状の課題みたいなものを乗り越えられると思っています

社は金属のジムトレーナーであり、現社長は自らの代の熱研社を鍛え上げようと日々、奮闘するヘッドコーチ。岡田氏は社が果たすべき仕事においても、組織作りにおいても、結果にコミットする決意でいる。

株式会社熱研
本社:大阪府大東市氷野3丁目16-25
オフィシャルサイト:https://www.e-nekken.co.jp/