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「私のほうが上だ!」その考えを捨てて辿り着いた、建築会社の女性社長が掲げる新たな経営理念とは!?
動画 ピックアップ大東市建築・住宅・不動産新着女性社長

「私のほうが上だ!」その考えを捨てて辿り着いた、建築会社の女性社長が掲げる新たな経営理念とは!?

2025.10.21
株式会社三住建設





株式会社三住建設 / 代表取締役 有田三千子 氏



株式会社三住建設は大阪府大東市に本社を置き、倉庫・工場・住宅などの新築やリフォーム、不動産活用など住宅、不動産関連の事業を多岐にわたって行う企業である。現在の代表取締役は有田三千子氏、1967(昭和42)年に父が創業した会社を兄が引き継いだのを経て、2012(平成24)年に3代目に就任した。
有田氏は2度目の登場で、2021年7月の前回記事 https://shacho.osakazine.net/e729742.html
では社長就任の経緯や、建築業界での女性社長の苦労、今後の事業の展望などを語っていただいた。あれから4年を経て社長業がより板についてきた今、企業理念を改めて再考したという。今回はそのあたりを中心に、紹介していく。

「私のほうが上だ!」その考えを捨てて辿り着いた、建築会社の女性社長が掲げる新たな経営理念とは!?

経営はトップダウンだと思っていた。それが間違いだと是正し、社が活性化した



社長就任以前は三住建設で、20年近くにわたって経理の仕事に携わっていた。3代目に就くにあたっては、長らく経理に関わってきて社内の財務を理解しているゆえ、経営もできると考えていたという。しかし経営者になってみて、初めて経理と経営はまったくの別物だと身をもって知る。そこから自ら勉強に取り組むのはもちろん、経営者が集まる会に入って周囲からアドバイスを受けるなどして経営を学んできた。とはいえ、経営の仕方は千差万別である。有田氏が自分なりの経営をつかんだのは、今からそう遠くない頃のことだった。

社長に就いて今年で13年になりますが、自分なりの経営が見えたのは、5年ほど前なんです。それまで経営は、トップダウンだと思い込んでいたんですよ。私が会社を仕切って、社員に言うことを聞かせないといけない。常に私が正しいことを言って、社員がそれに納得してついてくるのが経営だと思っていました。だけど5年前に、それは違うなと気づいたんです


「私のほうが上だ!」その考えを捨てて辿り着いた、建築会社の女性社長が掲げる新たな経営理念とは!?

いかに社員が快く仕事ができるか。その仕組みを作るのが、自分の仕事である。前回の取材時にも気づいてはいたが、まだ具体的に言語化できる段階ではなかった。しかし今は、それを言葉にできる。

正しさを追求すると、互いに言い合いになるんですよ。社員には社員の正しさがあって、私には私の正しさがある。だけど正しさは、それぞれの価値観だと気づいたんです。誰とでも共有できる、普遍的な正しさはないんやな、と。だったら私がやるべきことは、社員が仕事をしやすく、建築に集中できるようにする。お客様のために、社員が集中して仕事ができる環境や仕組みを作ることに注力することだと。それが経営の軸になってから、会社と社員が変わっていきましたね


それまでは社員が出してくる意見を、論破することに力を注いできた。自分のほうが仕事に関する知識が薄いことを自覚していながら、それを悟られないために、いわば虚勢を張っていたのである。

自分がそうなっていることに気づいてから、『私のほうが上だ』という意識を捨てて、社員の言うことを正面から受け止めて面と向かって話そうと決めました。そうするとみんな、積極的に前向きな意見を言ってくれるようになったんです。私もそれを、正面から受け止めるようにしました。そうするうちに、みんなが自発的に動くようになっていってくれた。自分がトップだからと、その立場からやらせるのではなく、彼らがやりたいことを全力でできるようにする。それが私の仕事だと、本当の意味で認識したんです


経営理念を新たにし、5年以内に社を発展的に改組する



そこから有田氏の経営に対する考えと取り組みは変わり、新たな経営理念を掲げるに至った。

「私のほうが上だ!」その考えを捨てて辿り着いた、建築会社の女性社長が掲げる新たな経営理念とは!?

今の私たちの理念は『建築の知と技で人と地域の楽しい未来を創造します』です。自分の考えを改めて以降、社員たちの姿をつぶさに見てきて、彼らに尊敬の念が湧いてきました。何もないところから建物などを作り上げていく技術、お客さんから信頼されている人柄。たくさん走っている現場を、総括してくれる事務員さんの能力。もう本当に、すごいなと。今掲げている理念は彼ら、彼女たちへのリスペクトなんです。社員たちの技術と知識で、三住建設が成り立っている。そう気づいたことを反映したのが、理念の前半部分。それを地域やお客様に提供することが私たちの使命であるという意味で、後半に『楽しい未来を創造します』の言葉を用いました。この理念には、そういう思いを込めています


「私のほうが上だ!」その考えを捨てて辿り着いた、建築会社の女性社長が掲げる新たな経営理念とは!?

経営理念を新たにしたのは、会社を次なる形に発展させるためでもある。三住建設は建築、不動産関連を中心に事業領域が多岐にわたるがゆえ、それぞれの棲み分けや成果がわかりやすい形で表れにくい面がある。それを是正するため有田氏は、三住建設を頂点に置いて各事業部を独立させる、いわばホールディングス化(※1)を構想している。

※1 ホールディングス化とは、事業を行う会社と、その事業会社の株式を保有・管理する持株会社(ホールディングス)に会社を分けることです。これにより、グループ全体の経営戦略は持株会社が担い、各事業会社はそれぞれの事業に集中することで、経営の効率化やリスク分散を図ることが主な目的です。

今はごちゃまぜの状態なので、それを整理したいと思っています。今後5年以内に、各部署を子会社化して独立させる。その考えにたどり着いて、もうこれしかないと思いました。今まではただ漠然と会社を大きくするとか、社員を増やすといった言葉しか出てきませんでしたが、それぞれを独立させるのはすごく腑に落ちたんですよ


これは父親が興した会社を継いでいくにあたり、有田氏自身が初めてそうしたいと強く思ったことである。

それまでは守ることに必死で、毎日を焦りながらやっていました。だけど5年後のビジョンが見えたときに、すごくやりがいを感じたんです。今はまだ人も足りていませんが、これから採用を増やしていく。そのために毎日、外に出て走り回っています。それはまったく苦ではなくて、むしろ楽しい。5年以内には、必ず実現すると決めています。それが今は自分の最高のやりがいであり、使命だとも思っています


「私のほうが上だ!」その考えを捨てて辿り着いた、建築会社の女性社長が掲げる新たな経営理念とは!?

経営の素人が社長になり、虚勢を張りながらも、最初は知らず知らずのうちに調整役のような役割にとどまっていた。それから経験を重ねるうち、有田氏には経営者の自覚が備わってきた。今はもう周囲の顔色をうかがう調整役ではなく、社員を統べ、会社を向かうべき方向へと示す旗振り役になっている。その手に持つ旗は、重いのかと問うた。すると、かつてバスケットボールで国内トップレベルの実業団チームでプレーした女性社長は、自信をともなった笑顔でこう言った。

思っていたより、めっちゃ重たいですよ。だけど私はそのために、バスケでずっと筋トレをしてきたんだと思います。今はその重たい旗を振ることに、生きがいを感じる。しんどければしんどいほど、やりがいがあるんです。それは多分、私の性分なんでしょうね(笑)


株式会社三住建設
本社:大阪府大東市曙町2番6号
オフィシャルサイト:https://misumi.net/