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<建築技術×IT>で “施工品質を可視化する” オンリーワン・カンパニー
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<建築技術×IT>で “施工品質を可視化する” オンリーワン・カンパニー

2026.04.08
株式会社 NEXT STAGE




株式会社 NEXT STAGE 代表取締役社長 / 小村直克 氏



設計図通りに施工すれば設計通りの家ができあがると思われがちだが、実際、ちゃんとできあがることが難しい状況を目の当たりにしてきた小村直克氏。
経験年数も技量も異なる30工種にも及ぶ職人たちが手作業で建てる以上、住宅の品質は一定ではない。
有資格者を中心とした現場監査士が、施工品質管理工程において第三者視点で施工品質を評価する「ヒンシツ監査サービス」を行い、品質のバラつきを抑えた高品質な住宅の提供を実現している株式会社 NEXT STAGE 代表取締役社長 小村直克氏に、起業の動機となった建築現場の実状とこれからの住宅事情を聞く。

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「なぜ第三者の目が必要なのか」 その原点は年々拡大傾向にあるつくり手とすまい手のギャップから


かつて、建築現場で「見えない施工不良」が放置されている現状を目の当たりにした小村氏。国内の多くの建物が、多岐にわたる工事工程に属人化する職人の技能により、これだけ品質がバラつくのかを痛感した。

大手のハウスメーカーさんだと工業化住宅(プレハブ住宅)といって、ある程度の作業工程を工場生産によってつくりあげ、現場での属人的な仕事をできるだけ排除し、品質を安定させる特徴があります。一方、地域でつくる木造住宅は、ほとんどが現場施工となり、職人の技量に大きく左右されます。住宅会社から建販会社へ転職して、地域の工務店へ建築資材を販売する業務に携わったときに、地域で建つ木造住宅の施工ムラというものをさらに強く実感したわけです。


2000年4月に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)が施行され、新築住宅の構造や雨漏りに関する10年間の瑕疵(かし)担保責任が義務付けられた。この法律ができる以前は、国策としてとにかく供給量を求める時代だった。

それまでは、当時の建設省がいわゆる住宅5か年計画といって年間に供給する新築住宅の着工数が目標として設定されてきたわけですね。そうすると質より量にウェイトがかかってしまい、雨漏りだと家が傾くなどの様々な住宅瑕疵が大きな社会問題にまで発展しました。


量から質へと考え方が変わっていく中で、2006年に住生活基本法が施行される。この法律は住生活の安定・向上を目的とし、従来の「量」的な住宅供給から「質」の高い居住環境への転換を目指すとされた。

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの数値を見ても分かるように、2000年より相談件数がうなぎのぼりに上昇しました。実際に当センターへクレームを入れる行動に出る人は、何十世帯に1世帯くらいだと思っています。それが急激に伸びているデータを見たときに、考えました。
この先、日本の人口は減ってきます。技能者も減ってくる。ということは、家をつくることが難しくなってくる時代が来る。しかも情報社会に入って、ユーザーの要求レベルはどんどん上がりますから、つくる側とすまう側のギャップが開いてくるんじゃないかという予想を立てたわけです、そうしたギャップを埋めたり解決したりするサービスが、これからの業界に必要だろうと起業に踏み切ったのです。


起業した当初は同業のライバルはなく、オンリーワンだったという小村氏。しかし、住宅会社に営業をかけても、無碍に断られ続けた。

いいことやっているのは分かるけど、コストも上がるし、家も売れてるし、「今は必要ないよ!」とよく言われました。第三者が自社の現場に入って足元を見るというのも、これまでの業界常識からすると正直抵抗がありましたから。


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自己破産を覚悟。3日後に会社を救う奇跡の電話


住宅業界のあるべき姿への改革を志し起業したが、2008年9月、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことをきっかけに発生した世界的な金融危機と景気後退、いわゆる「リーマンショック」の煽りを受けて厳しい経営環境に遭遇することとなった。

私の窮状を知った知人の紹介で、ある銀行から1000万円の融資をしてもらえることになったのですが、手形貸付でした。


手形貸付とは、金融機関に約束手形を差し入れて、1年以内の短期運転資金などを借り入れる融資形態。小村氏には6か月の期限が切られた。

1000万借りて、6か月後に1000万を返済しなければならない。返済できれば次の融資を、また手形貸付で繋いでいただく感じですね。厳しい環境でしたが必死で食らいつきました。しかし、資金繰りは限界を迎えます。家財や車を売却してもなお資金ショート(不足)し、無一文同然になりました。もういよいよ自己破産しようと思って、3月28日に社員を全員解雇したのです。


その3日後の3月31日、小村氏はとある住宅会社から1本の電話を受ける。
年間400棟規模の住宅検査依頼が飛び込んできたのだった。
社員を解雇してからまだ3日しか経っていない。呼び戻したのかと思いきや「できるわけがなかった」と小村氏。
ただ、これまで毎日たくさん住宅会社に自ら飛び込み訪問をし頑張ってきたことが、偶然にも功を奏した瞬間だった。

現場へは私が出て、妻が事務方で助けてくれました。とはいえ、妻は看護師だったので、会社の仕事は夜の9時頃から翌朝5時頃まで。それが半年くらい続き、業績も少しずつ伸びてきた。なんとか建築士を1人、2人と増やしていきました。


夫婦2人で夜を徹し、事務と検査をこなす日々。
それから大きく流れが変わり、少しずつお客様も増える中で仕事が徐々に安定してきたのだった。

このような波乱万丈な起業の始まりではあったが、多くの現場を積み重ねていく上で、これまでの住宅検査というものが、本当にこれからの住宅業界のあるべき姿を実現するのか?という命題を常に抱え探求したことが、現在の「ヒンシツ監査サービス」として全国に普及していく礎となった。

我々のヒンシツ監査サービスは、BtoB(企業間取引)が基本になっているのですが、このサービスを、なぜBtoCサービスにしなかったのかという理由は、ユーザーが住宅会社と揉めてから発生する仕事って、どうなんだろうと…。
そういったトラブルは業界的に全く前向きではないので、そうならないためのサービスを提供する必要を感じて、BtoBのサービスに変えたのです。


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今や年間7,000棟近い全国の住宅にスペックされているこの「ヒンシツ監査サービス」は、NEXT STAGEが運営する「認定現場監査士制度」によって、有資格者を中心とした見識者に対し、教育及び試験等を実施し認定している。その認定された特定の技術者だけが現場に赴き、公正かつ公平な監査を実施している。

認定現場監査士への問い合わせは、年間に100件くらいあります。しかし現実に実践で活躍できる方は少なく、非常に難易度の高いお仕事といえます。デビューされた現場監査士には頭にカメラをつけていただいて、当社からも、どんな目線でどう見ているかを遠隔でチェックするなどの支援もしながら現場での評価精度を上げていくための取り組みは欠かせません。


このように厳しい認定基準をクリアした建築士の目で監査された住宅は、安心して住むことができる。
住宅会社も自信をもって販売できるというわけだ。
また将来、需要が伸びると予測されている空き家のリノベーション・リフォーム市場も見据えた取り組みも行っている。

新築物件を建てる住宅会社は建築業ですが、リフォーム専門会社は販売業体質であるだけに職人に丸投げしているケースが少なくありません。リノベーション・リフォーム市場でも隠ぺいや騙しのない、透明で信頼できる業界を実現するため、施工状況を可視化してグレー部分をなくす仕組みとして、リフォーム施工ナビアプリ『RePPLI(リプリ)』をリリース予定です。


日本の戸建てやマンションのリフォームに関わる部位、例えばキッチンを替える、外壁を塗り替える、屋根の張り替えなど124の工種について全て標準のマニュアルをデータ化してアプリに読み込ませてある。

『RePPLI(リプリ)』では、リフォームする工事部位の正しい施工手順に沿って職人が施工を行いながら、重要なマイルストーン(重要な節目)に対しての施工状況を写真でアップします。当社がネットワークする全国約400名の現場監査士によって施工状況の写真をチェックすることで、見えない施工工程を可視化させ、品質の安定によるお客様への安心をお届けします。


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会社のミッションに共感し、自分で考えて自分で動ける「自創(じそう)社員」になってほしい


小村氏は社員に対して「やりたくない人は長く働かなくていい」という想いをもっている。突き放しているような言葉だが、そこには小村氏の愛情が込められているのだ。

終身雇用が当たり前だった時代と違って、今は転職してもキャリアアップになる時代です。情報社会だし、"隣の畑がよく見える"のも分かります。ただ弊社にいる間は社員みんながミッションに共感し、同じ方向を向いて互いに共有・協調しながら頑張ってほしい。「人は幸せになること」が目的だからこそ、仕事が幸せになる手段にならないのならば、本当にやりたい仕事に転職しても全然いいと思っている。


一方、会社で長く働いてくれる社員には、「自創社員」になってほしいという。
これは小村氏の造語で、いわゆる「自ら創造して、動く」、指示待ち人間になるなということ。

組織の中でいちばん強い状態は、各自が自分の中でPDCA(※)を回せること。自分からアクションを起こし、計画を立てて、実行してみる。そして振り返って、自分でジャッジして評価する。これをやっていくうちに、次の計画に進化が出てくるんです。「次、何をしたらいいんですか?」みたいな指示を待つだけになってくると、企業はなかなか成長しないので、主体性と情熱のある人がいいですね。

(※)PDCA:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのプロセスを順に循環させ、継続的な業務改善や生産性向上を目指すマネジメント手法


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会社全体をそのように仕向けるために、小村氏は管理職を対象にマネジメント研修を毎月行っているという。資料も自ら作成、4年目になった。
テーマ設定も、会社全体を見て、課題が生じていると感じたところでテーマ付けをしています。雰囲気的にちょっとサバサバしてきたなと思ったときにはそれを材料にしたり、あるいは目標管理をつくるのが大変だろうなと思ったら、目標管理とはそもそもどういう思考で形にしていくのかというポイントを話したりしています。


社内はチーム制になっていて、各チームのリーダーがそれぞれ工夫をしてチームを引っ張っている。朝礼やミーティングのやり方も任せているが、小村氏が理想とする「自創社員」になるにはまだ少し時間が必要だとも語る。


最後に記事の読者へメッセージをお願いした。

これから先は新築が減って、空き家問題がより深刻化します。リノベーションやリフォームの需要が見込まれますが、技術者が足りません。だから私は、仕事の概念をつくろうと考えています。若い人に「大工になりましょう」と呼びかけても、大工にはなりませんから「ハウスクラフター」という新しい概念をつくる。
現場監督も「建築ディレクター」。そうやって技術・技能者の概念をつくり替えて、何をどう勉強をすれば、どういう仕事ができて、どれぐらい稼げるのか。どれぐらいの経験を積んだら、次にどんなポジションが待っているのか。そこでまた、どれぐらい稼げるのかというストーリーが明確になったときに、若い子が参入してくると思っています。


ある大手ゼネコン(ゼネラル・コントラクター:総合建設業)では、定年間近のベテラン技術者と若手の間にいるべき中間層がほぼ空洞状態に等しいという。高度なノウハウをもったベテランが現場から居なくなってしまう危機に瀕している。

外国人労働者が増える中にあっても、やはり国内で担い手を確保し育てていく取り組みが必要です。今取り組んでいるのが、ファクト(客観的な事実に基づいて収集された数値や記録)のデータ化で、施工途中のファクトをビッグデータ化して、どういうところにミスが多いかを明らかにします。


定年を迎える技術者がもつノウハウを吐き出してもらい、業界全体で教育の仕組みをつくることは、重要だと考えている。
かつて企業単体で完結していたノウハウを業界全体で共有しようと、アイデアを絞る小村氏。
その根底にあるのは、創業時から変わらぬ「日本の家づくりを、もっと誠実なものに変えたい」という純粋な情熱だ。

仕組みとデータ、そして人の目を融合させた同社の挑戦は、日本の住まいの信頼を再構築する大きな一歩となるに違いない。

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株式会社NEXT STAGE
本社:大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目1番43号 あべのハルカス33F
オフィシャルサイト:https://nextstage-group.com/