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「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ
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「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ

2026.04.01
マネジメントサロン 治(おさむ) /





マネジメントサロン 治(おさむ) / 代表 佐藤 鉄平 氏



「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ

社長の中には稀に、“札付きのワル”から更生して事業を興したという人がいる。東大阪市で「マネジメントサロン 治(おさむ)」を運営する佐藤鉄平氏もその一人だ。マネジメントするのは、地域の人々の健康である。足つぼ診断をもとに、食事指導、トレーニング、ナノミストサウナを組み合わせ、病院や薬に頼らない身体づくりをサポートしている。また佐藤氏は、同じ建物の中で「おむすび屋 おさむすび」も運営する。健康サロンとおむすび屋、2つの事業を手がけるに至った経緯には、“ワル時代”の先輩との出会いと再会があった。

非行時代の先輩に再会、激変ぶりに衝撃



兵庫県伊丹市で生まれ、大阪市の十三界隈で育ったという佐藤氏。機械の設計者である父、母、弟が一人という家族構成だったが、小学5年生の時に母が脳腫瘍で亡くなってしまう。父は仕事が忙しく、祖母や叔母が関わってくれてはいたが、この頃から佐藤氏は非行に走っていく。

恥ずかしながら長い間、25歳くらいまでは反社会的な人間でしたね。前科こそつきませんでしたが、悪いことばかりしていました。『自分さえ良ければ、今が良ければ……』、そんな考え方でした

工業高校は1年経たずに中退し、運送業などで働くも続かず。そんなことを繰り返して20代半ば過ぎ、付き合っていた彼女の妊娠を機に結婚した。さすがに落ち着こうとイタリア料理店で働き始め、そこでは4年近く続いて調理師免許も取得したものの、本気で料理人を目指すほどではなかったという。一番長く続いたのが、最後に勤めた小売商品を卸す貿易会社だ。33歳で入社して12年ほど勤め、その間には離婚・再婚を経験した。さらに、自身の生き方を大きく変える「再会」があったのも、この貿易会社時代であった。

「再婚してから、今の妻とたまたま実家の近くで外食した際、悪さをしていた時代の先輩と出くわしたんです。10年ぶりくらいでしたが、先輩が激変していて。僕の上をいくほどワルかった人が、非行少年の更生をサポートする活動をされていたんです」

先輩の話を聞けば聞くほど、初めて知る日本社会の課題が見え、自分は今まで何をやっていたのかと衝撃を受けた佐藤氏。「自分にも、その活動を手伝わせてください」。そう申し出たところから、人生の方向性が大きく変わり始めた。

「45歳までに起業」と決め、見えてきた使命



「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ

先輩の取り組みを手伝いながら、勧められるままに稲盛和夫氏の著書『生き方』(※1)なども読んでみる中で、佐藤氏はさまざまな気づきを得たという。

※1 稲盛和夫氏の『生き方―人間として一番大切なこと』は、2004年の刊行以来、100万部を超える大ベストセラーとなった人生哲学の書です。京セラやKDDIを創業した著者が、成功の基礎となった「利他」の心や「魂を磨く」ことの重要性、正しい心を持って懸命に働くことの尊さを説く、全世代向けの名著です。

『生き方』によれば、『情熱×能力×考え方』が人生やビジネスの結果を出す方程式だといいます。そこに当てはめると、自分は何事も真面目にやるほうではあったんです。悪いことも含めてね。そして能力についても、これは両親に感謝なのですが、もともと何でも器用にできました。ただ、考え方が自己中心的で、人に対して軽薄なところがありました。前妻はもちろん、今の妻にも当時はまったく寄り添えていなかったと思います


そんな気づきがあった頃、佐藤氏は42、3歳。勤めていた貿易会社で役職も年収も上がってはいたが、経営陣と考え方が合わなくなり、独立志向が芽生えていた。そこで「45歳までに何かやろう」と決意。そして、自身の経験、さらにもう一つの大きな出会いによって、「足つぼと食事で人々の健康に貢献する」という使命にたどり着く。

「もともとサッカーが好きで趣味で続けていたのですが、だんだん筋肉が衰えてくると腰痛に悩まされ、40歳から筋トレを始めたんです。すっかりハマってボディメイクの大会に出たりもしました。だから身体づくりには興味があって」


「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ

ある時、足つぼの師匠を紹介してもらったんですよ。最初に施術してもらった際、めちゃくちゃ痛かった。それは悪いところがたくさんあるということなんですよね。それで食事から気をつけるように言われ、半信半疑で内容を見直して1か月後に再施術。すると、『え?』となるほど痛くなかったんです。驚きすぎて、自分も師匠から学ぶようになりました

「最終的に起業の決め手になったのは、父が亡くなったことです。間違った知識で人が健康を損なってしまう社会を何とかしたい、そう強く感じました」

起業にあたって名付けたサロン名「治(おさむ)」。それは父の名前であり、最後まで親孝行できなかった父への思いと、佐藤氏が紆余曲折を経て見出した使命への願いが込められている。

健康づくりでメソッド以上に大切なのはマインド



2023年6月に開業した「マネジメントサロン 治」。自分で決めた「45歳までに起業」というリミットが迫る中で、急に手頃な物件が見つかり、誕生日の1か月前にオープンできたというのも運命的なものを感じさせる。
以前は古民家だったという建物を、和の趣を取り入れてリノベーションした。サロンでは足つぼ診断をもとに、食事指導、トレーニング、ナノミストサウナを組み合わせたプログラムを提供している。奥様も受付や接客などで運営を支えている。
また佐藤氏は開業直後、知人の紹介により、経営者の自己革新と企業の健全な繁栄を支援する全国組織「倫理法人会(※2)」に入会した。そこで学んだことによって、日々のマインドも大きく変わったという。

※2 倫理法人会は、経営者自身が「純粋倫理」を学び、経営者としてのあるべき姿を追求することで、会社の繁栄と地域社会への貢献を目指す一般社団法人です。全国に7万社以上の会員を擁し、市区町村単位の「単会」が毎週朝に「経営者モーニングセミナー」を開催しています。

開業当初は、『病気の人を自分が救うんだ!』という思いでした。実際、お客様の7〜8割は何かしらの持病がある方だったんです。でも、次第にわかってきたのは、同じ病気の人が2人いるとして、1人はウチのような自然療法を受けることを家族が応援してくれている人、もう1人は家族に反対されている人。結果が出やすいのは前者のほうなんですよね。家族に応援されると、自分もいっそう前向きになる。だから結果が出やすい。結局、倫理法人会でもよく言われるように『心が7割』なんです


そのことに気づいてからは、サロン利用者の心が整うよう、「家の中の掃除をしていますか?」といった問いかけもするようになった。すると利用者も前向きな人や、予防的に来院する人が増えたという。また最近は、より多くの人に足つぼや食事について伝えようとオンライン講座もスタートさせた。こちらも長く続けていきたいと語る。

さらに、サロン開業から1年後には、同じ建物内に「おむすび屋 おさむすび」も立ち上げた。おむすび屋にしたことには、切実な理由がある。

「非行に走った若者たちの更生をお手伝いしている時に、家庭環境が厳しく、学校の給食が生命線という話をよく聞きました。一番ショックだったのは『お母さんが握ったおむすびを食べたことがない』という声でした」


「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ

おむすびは、「食」を通した愛情表現の象徴といえるもの。特別栽培米を釜で炊き上げて作る「おさむすび」のおむすびは、ふっくらとして米本来の甘みが感じられ、家族みんなが安心して食べられる。今後は店舗数を増やしていく方針だ。

「極端な話、駅ごとに1店舗あってもいいくらいです。今の時代は、僕らが子どもの時とは比べ物にならないほど、身体に良くない加工食品があふれている。大人がちゃんと食の知識を持って、子どもたちを守らなければと思っています」


東大阪の街と、10代の若者たちを元気に



「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ

現在、大阪鴻池倫理法人会の会長も務める佐藤氏。そのつながりも活かしながら、叶えたい夢があるという。

「東大阪は町工場のイメージが強いですが、今はどこも後継者がいなくて苦しい。そして、日本の10代の若者の死因の第1位は自殺です。この2つの問題を掛け合わせて、花園ラグビー場を使ったイベントをやってみたいんです。中小企業を巻き込んでブースを出してもらい、10代の子らを呼んで『こんなに職業っていっぱいあるんやで』と選択肢を見せてあげたい。そんな形で社会貢献できたらなと思っています。目の前の仕事をすっ飛ばしてそんなことばかり語るから、いつも妻には怒られますけどね(笑)」

若者たちが、夢を見つけて“トライ”する日が近づいている。

「札付きのワル」から健康と笑顔を創る経営者へ

マネジメントサロン 治(おさむ)
本社:大阪府東大阪市吉田6丁目2-9
オフィシャルサイト:https://www.instagram.com/managementsalon_osamu/