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<関西ベンチャー企業の羅針盤として> 『社長の覚悟』を支えるIPO・ガバナンス構築支援の “雄” 黒坂氏の挑戦
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<関西ベンチャー企業の羅針盤として> 『社長の覚悟』を支えるIPO・ガバナンス構築支援の “雄” 黒坂氏の挑戦

2025.12.11
マルコ・ポーロ合同会社





マルコ・ポーロ合同会社 / 代表社員 黒坂卓司 氏



1998年、就職氷河期の真っただ中、大手信託銀行に入行してキャリアを積んだ黒坂氏。
独立後ベンチャー企業のサポートに情熱を注ぎIPO(※1)支援やガバナンス構築で独自の強みを発揮してきた。
関西を拠点に「社長の覚悟」を支える伴走者として活動する マルコ・ポーロ合同会社 代表社員 黒坂卓司氏。
金融機関時代の学び、独立の決意、そしてベンチャー企業へのメッセージを聞く。

(※1)IPO(イニシャル パブリック オファリング):未上場の会社が証券取引所に新たに株式を公開し、不特定多数の一般投資家がその会社の株式を売買できるようにすること。


<関西ベンチャー企業の羅針盤として> 『社長の覚悟』を支えるIPO・ガバナンス構築支援の “雄” 黒坂氏の挑戦


不良債権回収から学んだ経営の本質


起業する前は信託銀行に勤めていた黒坂氏。就職氷河期の中で先行きが見通せない中、スキルを身につけないと生き残れない時代になることをいち早く察知していた。

就職活動をしていた時期が1998年で、就活中に北海道拓殖銀行が倒産したり山一證券が自主廃業したりして、金融機関でも倒産するんだという混沌とした時代でしたね。しかも私は第二次ベビーブームの世代でして、就職先が少ないのに同世代の人口が最も多いという最悪の環境でした。


終身雇用が当たり前だと、さながら神話の如く信じられていたことが、いとも簡単に大手金融会社が崩壊した時代に就職の時期を迎えた黒坂氏。独立開業できるレベルのスキルを習得するために、大手信託銀行を就職先に選んだという。
黒坂氏が配属された東京 新宿支店は、不良債権が多く集まる店舗。任されたミッションは「不良債権の回収」だった。

業務に必要なので会社法を始め、法律の勉強をすごくしました。信託銀行としても4年ぶりの新卒採用だったので、本来ならば4年目5年目の中堅がやる仕事をいきなり私のような新人がやるわけですから、様々なスキルが身につきました。


中堅の先輩がいないからすぐに最前線の顧客先に出られることは予測していたそうだが、実際に現場へ出てみると、その過酷さは想像をはるかに超えていた。
このままでは自分が壊れてしまうと危機感を募らせた黒坂氏は異動を願い出て、プライベートバンキング部門で遺言信託業務に携わることになった。

高齢の経営者とか企業の株主の方からお話を伺って、遺言書を作成するのが主な業務です。基本的なフォーマットは法律である程度決まっていますし、過去に先輩方が作成した遺言書があるのでそれを真似ればいい。民法や相続税法の勉強もしました。実は遺言書の一番大事なところは、書き方が法律で決まっていない付言事項なんです。


付言事項は遺言者が自由に書く文言で、生前にお世話になった人たちへの感謝の言葉を書く人が多いという。
遺言者からヒアリングをして、簡潔な文章にまとめる能力が求められる。初めのうちは「あんた、私の話を聞いていたのか!」と叱責を受け、何度も書き直しをすることもあった。
経営者のような株主に対して、事業承継の対策とか節税対策をしながら人生最後の遺言を書くので、中小企業オーナーの株対策をやっていた経験が、今のIPO支援にそのまま活きました。


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組織の業務範囲を超えたサポートをしたいと独立を決意


2004年からは証券代行業務に携わり、ベンチャー企業の成長支援業務に取り組んだ黒坂氏。独立までの17年間は、この業務に関わった。

ベンチャー企業って、若者が勢いだけで会社のようなものを立ち上げてイケイケで走っているイメージが強いと思います。大阪でサポートした『鳥貴族』さま(現・株式会社エターナルホスピタリティジャパン)は値段も安く、しかも美味しい。日々多くのお客さんが来店しており、この様な業界に携わっている人を幸せにしたいという理念でやっていた。企業が大きくなって理念を叶えていくことに対して、「一緒にやっている感」がすごく出ていましたね。大阪でサポートした企業には飲食業や製造業などが多いから、自分が提供したサービスが形になっていく姿が直に見えます。そういうところが関西の良さだと思います。


もともと個人スキルを習得する目的で信託銀行に入ったので、定年まで勤める気はなかった黒坂氏。いずれ独立するつもりだったが、信託銀行で取り組んでいるベンチャー企業のサポート業務が楽しくなってきたという。
楽しくなってきて、夢中になっちゃったわけです。辞めなくてもお客さんの夢を実現できるし、辞める必要性が薄れてきたのです。しかもスキルが付くし、不満はなかったですね。


だが、やはり組織の中でコンサルティング業務をやるとなれば、どうしても制限を受ける部分が出てきてしまう。しかも、組織で取り組む以上は、スピード感が合わない感覚に陥ることも増えてきたという。
お客様が求めていることが、銀行としてはできないんだけれども、個人的にはやってあげたいということもあるんです。自分がお客様にやってあげたいことと銀行で許される業務範囲とのギャップが大きくなってきたので、独立を決意しました。



社名に込めた“未知に挑む覚悟”


2021年11月1日、「マルコ・ポーロ合同会社」として独立した黒坂氏。
社名の由来は、13世紀に「東方見聞録」を著したヴェネツィアの商人であり探検家でもあるマルコ・ポーロに由来している。
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今は資本政策、コーポレートガバナンス(※2)を中心に、ベンチャー企業にとって大切な経営戦略のひとつであるIPOの実現に向けたプロジェクトマネジメントを行っている。

(※2)コーポレートガバナンス(企業統治):株主や顧客、従業員、地域社会などの立場を踏まえ、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組み
ベンチャー企業は、それがビジネスになるのか、まだ明確に分かりません。前へ進もうと荒波の中をとりあえず進んでるんだけど、本当にその方向で合っているのか疑心暗鬼な想いで手探りなんですよ。それはマルコ・ポーロがヨーロッパから旅立ったとき、そもそも東に何があるのか分からないけれど歩み続けた気持ちと似ていると思って社名にしました。
ただ自分は、株式上場に関してはゴールが分かっているので、ベンチャー企業の羅針盤になれたらいいなと思っています。


黒坂氏がサポートした企業で、特に印象的な成長を遂げた企業は「スマレジ」だそうだ。
株式会社スマレジは中央区に本社を置き、タブレットPOS「スマレジ」をはじめとするクラウドサービスを提供している。

「スマレジ」のストックオプション(※3)の設計は僕がしましたが、それはそれ以前にあるベンチャーキャピタルが出資しようかどうか前向きに検討してるんだけど、資本政策がまだ未整備だというので相談を受けました。実際にスマレジの経営者と面談して、ベンチャーキャピタルが出資する前に資本政策を組みました。面談したときに感じる「経営者の覚悟」が大事なんです。スマレジは覚悟が決まっていると感じたので、やりきれると思いました。


(※3)ストックオプション:企業が取締役や従業員などの役職員に対し、将来あらかじめ定められた特定の価格で自社の株式を購入できる権利を付与する報酬制度

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黒坂氏は関西で唯一、ベンチャー企業のガバナンス(企業統治、経営監視の仕組み)ができる自負もある。経営者の暴走を抑止するためには、企業ガバナンスは必要な仕組みだ。
関西を中心にベンチャー企業の資本政策のコンサルティングと企業ガバナンスをしていたのが、僕だけでした。それが関西を拠点に活動している強みにもなっています。資本政策の専門家が関西には少ないので、ライバルが皆無に近い状態です。独り勝ちというと語弊はありますが、あんまり営業しなくてもお客さんを獲得できる。お客さんのほとんどが社長で、社長から社長へと紹介でつながっていく感じです。



黒坂氏は会社の業務以外でもコミュニティをつくって、ベンチャー企業の業務をサポートする取り組みを行っている。
その一つ「一般社団法人ベンチャー監査役協会」は、ベンチャー企業にとって監査役はどうあるべきかを話し合い、情報交換することを目的とした交流会だ。ベンチャー企業の監査役が知っておくべき基本的、且つ実務的な内容を中心に勉強会を行っている。

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ガバナンスでいちばん大事なのが、常勤監査役さんなんですよ。取締役をチェックする役割が監査役で、その監査役が頑張らないとガバナンスが機能しません。ですから監査役をサポートするのが「一般社団法人ベンチャー監査役協会」で、現在145人のメンバーがいます。


また「一般社団法人ないかんMeetup」は、他社事例や監査手法をシェアしたり、個別相談したりするなど、内部監査担当者同士で情報交換することができるコミュニティだ。内部監査の実務を学ぶだけでなく、内部監査を再定義することを目的として運営されている。
常勤監査役じゃなくて、従業員が監査するということを今、広げている途中です。それも浸透させていく。メンバーは現在800人います。内部監査を通じて強い組織を構築し、企業価値の向上に寄与することも可能です。


最後に、IPOを目指すベンチャー企業へ向けて、メッセージをお願いした。

株式上場を目指すにあたって、成功している企業の共通点の中で最も大事なのが『社長の覚悟』です。その仕事を、なぜそういうふうにやろうと思ったのか。これには必ず理由があるはずなんです。そして、そこに覚悟があることが大事で、覚悟がふらついていると失敗します。
描いているビジネスの世界観が確立していて、そのためにIPOが必要だと考えて決めたわけですよね。
ところが、いざIPOを目指して動き始めると、さまざまなハードルが現れます。それでも、最後まで走り切る覚悟があるのか。ハードルが現れたら、言い訳をはじめる人が多い。「IPOなんて選択肢のひとつだから」とか、急に弱音を吐くのです。でも、そんなことは最初から分かっていたはずです。上場のタイミングとか上場の使い方は微妙に変わってもいいのですが、弱音を吐いたり心が折れたりして挫折すると、その会社は伸びない。覚悟をもって進んでほしい。


すべてのベンチャー企業がIPOを目指す必要はないが、起業の理念の実現にIPOが役立つのであれば上手に利用してほしいという。

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マルコ・ポーロ合同会社
本社:大阪府吹田市桃山台3-39-10
大阪事務所:大阪市北区梅田1-13-1 大阪梅田ツインタワーズ・サウス15F
オフィシャルサイト:https://marcopolo.work/
一般社団法人ベンチャー監査役協会サイト:https://marcopolo.work/auditor/
一般社団法人ないかんMeetupサイト:https://marcopolo.work/naikan/