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人生に “ひと花” 咲かせたい!介護の手前に! <まちの元気ハブ>をつくる二人の挑戦者
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人生に “ひと花” 咲かせたい!介護の手前に! <まちの元気ハブ>をつくる二人の挑戦者

2026.02.24
社会福祉法人 豊中福祉会





社会福祉法人 豊中福祉会 / 専務理事 八木勲 氏、主任 吉田幸成 氏



創業から40年以上、保育園や特別養護老人ホームの運営などを通し、泉大津の地域ニーズに応え続けてきた社会福祉法人 豊中福祉会。

いま力を注ぐのは、高齢者を“介護にさせない”ための予防型アプローチだ。
その中心には、組織運営を担う八木勲専務理事と、フィットネス型デイサービス「花 bu-ke(カブーケ)」を牽引する吉田幸成主任の存在がある。

高齢化や孤立が進む時代に、福祉をまちづくりへと押し広げながら、地域の元気な未来をつくろうとする二人の挑戦。その歩みから、これからの福祉のあり方を探る。

人生に “ひと花” 咲かせたい!介護の手前に! <まちの元気ハブ>をつくる二人の挑戦者


地域の変化に挑み続け、必要なものを「自らつくる」


泉大津市に拠点を置く社会福祉法人 豊中福祉会は、40年以上にわたり地域の変化に向き合い、事業を広げてきた。
現在は従業員約360名とともに、高齢者福祉・保育・障がい福祉と幅広く展開。地域からの厚い信頼を積み重ねてきた。

その出発点は、1970年代後半〜80年代の第二次ベビーブームだ。当時の泉大津には公立保育園しかなく、待機児童が増え続けていた。状況を見た創業者は、「制度に合わせて動くのではなく、地域に必要なものをつくるべきだ」と自ら動き、民間保育園として豊中福祉会を立ち上げた。

国の仕組みがどうかより、この地域に何が必要なのか。その考え方は創業からずっと変わっていません。


こう語るのは、三代目として法人運営を担う八木勲専務理事だ。

その精神は、法人の成長とともに形を変えながら受け継がれてきた。例えば、まだ全国的にも珍しかった“個室ユニット型特養”を早くから導入したことも一例である。

八木氏:当時は前例なんてほとんどありません。昔から「5年後・10年後の地域に何が必要か」を基準に物事を決めてきた。
制度がどうだからとか、他がやっているからとか、そういうことはあまり関係なくて、地域に必要だと思ったら多少リスクがあっても踏み込む。創業のときから続いている姿勢です。時代が追いつく前に「先に形をつくろう」と決断する、一つひとつの挑戦が今の豊中福祉会につながっているんだと感じています。


「必要なものは自分たちでつくる」という文化は、現場のメンバーにも浸透している。
デイサービス「ローズテラス」で運動メニューの開発に携わり、利用者の“できる力”を引き出してきた吉田幸成氏も、現場で長く挑戦を続けてきた。

吉田氏:「ローズテラス」の立ち上げ時も、短時間デイサービスで「運動と入浴を両立させる」なんて、当時はほとんど前例がなかった。でも、地域に必要だと思ったらやってみる。現場でも、そんな空気はずっとありますね。


こうした積み重ねが、後に生まれる“介護にさせない”ための新しい取り組み「花bu-ke(カブーケ)」につながっていく。

人生に “ひと花” 咲かせたい!介護の手前に! <まちの元気ハブ>をつくる二人の挑戦者

異なる道を歩んだ二人の挑戦が、同じ未来で重なった


アクティブライフ支援型フィットネスデイ「花bu-ke(カブーケ)」が形になるまでには、異なる経験を持ちながら同じ方向を見つめた八木氏と吉田氏の存在があった。

元々はヤマハ発動機株式会社からキャリアをスタートしたという八木氏。学生時代からバイクが好きで入社したものの、「いつかは経営者になりたい」という思いをずっと手放さなかった。

そんな時、当時祖父が経営する豊中福祉会が新しい特養を立ち上げる、という知らせが入る。

八木氏:ヤマハで上り詰められるかは分からない。でも身内が経営する会社なら“経営者”への道が近い(笑)。そう思ったんです。


まずは事務員として現場に入り、法人の土台を一つひとつ理解するところから始めた八木氏。この経験が後に専務として組織を束ねる視座につながっていく。

一方吉田氏も、全く別の世界から福祉へ飛び込んだ。15年以上働いた歯科技工士の仕事を辞め、40歳手前でキャリアを見直したことがそのきっかけだ。

吉田氏:母が看護師で老人ホームに出入りしていたこともあり、小さい頃はよく一緒に連れて行かれて、おじいちゃんおばあちゃんの部屋を回って過ごしていたんです。
元気な高齢者が昔より減っていると実感した時、老いていく流れを少しでも変えられる仕事がしたいと思いました。


専門学校で介護福祉士の資格取得を目指しながら、豊中福祉会が運営する高齢者施設「ローズガーデン条南苑」で2年間働いた吉田氏。

その後、新たに開設された短時間デイサービス「ローズテラス」の立ち上げに携わり、運動メニューの開発を任される。
「3時間の中で運動と入浴を行うサポート」という独自のスタイルは、当時としては挑戦的な取り組みだった。

吉田氏が現場で「どうすれば人は元気でいられるか」を探り続けていた頃、八木氏は組織づくりの立場から、吉田氏の挑戦に価値を感じていた。
「現場で培った力を、もっと広く地域に届けられるのではないか?」 

そんな手応えを、二人とも同じタイミングで抱き始めていたのだ。

介護にさせない未来をつくる。「花bu-ke 」が導いた “人生もうひと花”


八木氏:高齢者はこれからもっと増えていくのに、支える側は減っていく。このままでは介護福祉のしくみが持ちません。だから“介護にさせない”人を増やす取り組みが必要だと考えたのです。


八木氏がそう語るように、介護現場には長年続く構造的な課題があった。
その危機感を共有していた二人は、会議室でも、帰り道でも、居酒屋でも、時にはコンビニの前で立ち話をしながら、何度も意見を交わしてきた。

どうすれば「介護の手前」で止められるのか。どうすれば、もう一度自分の足で人生を歩けるようになるのか。
生まれた答えが、アクティブライフ支援型フィットネスデイ「花bu-ke(カブーケ)」だった。


コラム:「花bu-ke(カブーケ)」とは?

花bu-ke(カブーケ)は、高齢者向けの少人数フィットネスを軸にした自立支援型のプログラムだ。
専門スタッフがフレイルチェックや体力測定を行い、一人ひとりの状態に合わせて運動メニューをつくる。レッドコード(ロープを使って体を支えるリハビリ器具)を使った個別トレーニングや、生活動作を改善するためのアドバイスも組み込まれ、利用者の「できること」を増やすことに徹底して向き合う。
定員は10名ほどで、大人数では埋もれがちな小さな変化もスタッフが丁寧に拾い上げられる体制。運動だけでなく、通ううちに仲間ができ、地域とのつながりが生まれる「居場所」としての機能も持つ。


人生に “ひと花” 咲かせたい!介護の手前に! <まちの元気ハブ>をつくる二人の挑戦者

その名前は、二人の雑談の中で生まれたものだ。

吉田氏:人生もうひと花咲かせたい。咲かせた花たちが集まれば、自然と“ブーケ” になるやろう、ってね。


実際に花bu-ke では、想像を超える変化がいくつも生まれている。

・歩けなかった80代女性が、3ヶ月で自力歩行を取り戻す
・90代の男性が「もう一度ゴルフをしたい」と挑戦し、息子とコースに復帰。スコアが昔より上がる
・8年間夫の介護を続け、外に出る余裕がなかったという女性の表情が明るくなり、外出の機会も増えた
・坐骨神経痛で冬は外に出られなかった女性が、痛みを克服し、「北海道に住んでみたい」と語りだすほど気持ちが前向きになった


どの変化も、本人でさえ想像していなかった未来だという。

吉田氏:高齢者の皆さんはつい、「自分はもう無理や」と線を引いてしまいがちです。でも蓋を開けてみると、半年で別人のように元気になる。年齢は関係ありません。


場の空気をつくるのは吉田氏だ。
初対面の利用者でも3分あれば笑顔にさせる。声をかける間合い、集団をつかむリズム、そしてその場の温度を上げていく力。地域では“ラジオ体操おじさん”として知られるほどの人気ぶりである。

こうして「花bu-ke」は福祉サービスにとどまらず、まちに希望をもたらす場所として広がりつつあるのだ。

年代も立場も超えてつながる、ごちゃまぜの“まちのハブ”をつくる


豊中福祉会はいま、“まちづくり”の視点を強め、年齢や立場を問わず集まれる居場所づくりに力を注いでいる。

吉田氏は、健康講座や地域イベント、ラジオ体操の立ち上げ支援など、地域の依頼に幅広く応えてきた。法人と地域をつなぐ存在として信頼を築いている。

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一方で八木氏には、まちづくりを意識するようになった「原点」と呼べる体験がある。
2016年ごろ、石川県のとある交流拠点を訪れたときのことだ。

福祉、保育、飲食、そして銭湯まで、さまざまな機能が一体となった場所。高齢者が子どもと触れ合い、学生が地域の人と肩を並べ、まるで一つのまちがその場に凝縮されたような空間だったという。
八木氏はその日の光景を、今も鮮明に覚えている。

八木氏:石川県からの帰りの電車で、気持ちが収まりませんでしたね。「これ、うちでもやらなあかん」って。駅から事務所に向かう途中で吉田を見つけて、もう我慢できずに走って、石川の施設の話しをしたんです。


すると吉田氏も一気に同じ熱になった。

吉田氏:八木が見てきた施設の話を聞いた瞬間、「これは絶対やらなあかん」と思いました。「じゃあ、うちでもつくりましょうや!」って。


こうして、「ごちゃまぜで支え合う場所」を地元につくるという構想が動き始めた。
現在は、2026年4月の開設を目指す新施設として準備が進んでいる。

建物には、こども園、学童、習い事スペース、カフェ、地域向けのフィットネスが集まる予定だ。

人生に “ひと花” 咲かせたい!介護の手前に! <まちの元気ハブ>をつくる二人の挑戦者

子どもは学びに来て、親はカフェで過ごし、地域の高齢者はフィットネスで体を動かす。暮らしの中で自然に人が混ざり、助け合いが生まれる“まちのハブ”となることをめざしている。

八木氏:本気で取り組むのはもちろんだけど、空気はゆるくてええと思うんです。敷居が低くて訪れやすく、利用者さんも地域の人も、うちのスタッフも楽しめる場であってほしい。


その根底にあるのは、八木氏が大切にしている思いだ。

「自分の可能性に、蓋をしないでほしい」

「花bu-ke」で見てきたように、人は年齢に関係なく変われる。利用者が「もうひと花」を咲かせるように、働く人にも、自分の力を試してほしい……

そして、この思いを体現してきたのが吉田氏だ。
最初から地域の第一線で活躍していたわけではない。地域に飛び込み、迷いながらも動き続ける中で、自分の役割をつくってきた。

八木氏:吉田のように最初は手探りでも一歩踏み出してみる人が増えたら、法人としてできることはまだまだ広がります。


まちの未来をつくる豊中福祉会の挑戦は、一人ひとりの一歩から始まっていく。

人生に “ひと花” 咲かせたい!介護の手前に! <まちの元気ハブ>をつくる二人の挑戦者



社会福祉法人 豊中福祉会
本社:大阪府泉大津市東豊中町2丁目4番26号
オフィシャルサイト:https://www.toyonaka-fukushikai.com/