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どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合
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どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合

2026.03.01
ドリームファクトリー株式会社





ドリームファクトリー株式会社 / 代表取締役 大野義啓 氏



どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合

ドリームファクトリー株式会社は、リハビリデイサービスを中心に事業を多角的に展開する、大阪市平野区瓜破(うりわり)の企業である。代表の大野義啓氏は天理大学を卒業後、プロの柔道家に転身。世界選手権無差別級でベスト8、アジア大会では銅メダルを獲得するなど、国際舞台で華々しく活躍した。そんな大野氏が最初に興した事業は鍼灸整骨院である。現役生活と並行して国家資格取得のため6年間にわたり研鑽を積み、引退後の2007年に開院。10余年にわたり経営を続けたが、2018年に撤退を余儀なくされた。

撤退の要因は業績不振で、一時は倒産寸前まで追い込まれました。起業当時の私は、周囲の同業他社ばかりを意識して、社員数や売上規模、店舗数を拡大することに躍起になっていたのです。マネジメントや経営の本質を学ばぬまま、規模の拡大を優先してしまったツケが回ってきたのだと思います


多額の負債を抱えたが、それ以上に大野氏の心を痛めつけた出来事があった。

何より社員に対して申し訳ないという思いでいっぱいでした。整骨院の立ち上げから苦楽を共にしてきたスタッフの一人に、『会社も社長も大好きですが、この会社にいても未来が見えないので辞めたい』と言われたときは、一番身に染みましたね。いっそ罵倒されて去られる方が、まだ救いがあったかもしれません(苦笑)。しかし、その言葉があったからこそ、経営者としての『在り方』を根本から変えなければならないと決意できた。私にとって、極めて大きな転機となりました


どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合

どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合

デイサービス事業は、整骨院経営の傍らですでにスタートさせていた。整骨院を訪れる多くの高齢患者と接する中で、「治療が必要になる前の段階で、何か手助けはできないか」と考えたことがきっかけである。健康や運動機能を維持するための施設の必要性を痛感し、鍼灸整骨院の閉院後は、このデイサービス事業へと一本化したのである。

整骨院時代、私自身も施術を行っていました。元日本代表のサッカー選手をはじめ、多くのトップアスリートをサポートしてきたという実体験があったため、自分のやり方こそが正解だという強い先入観を持っていたのです。スタッフに任せてうまくいかなければ、それは彼らの能力不足だと決めつけていました。 一方で介護事業では、私は現場に深く入り込むことはありません。現場の判断を尊重し、私は一歩引いて確認や質問を行ったり、アイデアを提案したりする立場に徹しています。結果として、整骨院時代とは真逆のマネジメント手法をとることで、事業は円滑に回り始めました



コロナ禍以降も人々は自然に癒やしを求める そのニーズを見据え、グランピング施設を開業



大野氏が手掛けるリハビリデイサービスは、現在平野区内で3拠点を運営するまでに成長した。これを軸に、運動療育型放課後等デイサービスや柔道塾も展開。そして、新たな挑戦として乗り出したのがグランピング(※1)施設の運営である。兵庫県丹波市に「丹波星空グランピング SHIGURA RESORT」をオープンさせた。

どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合

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※1 グランピング(Glamping)とは、「Glamorous(グラマラス)」と「Camping(キャンピング)」を掛け合わせた造語で、設営や食事の準備などの手間をかけず、ホテルのような快適なサービスを自然の中で楽しむ新しいキャンプスタイルを指す。

コロナ禍、世界中が未曾有の混乱に陥る中で、人々が唯一癒やしを見出したのがアウトドアでした。自然の中に身を置くことの価値に、多くの人が改めて気づいたのです。私は、アフターコロナの時代になっても社会の不透明さや生きにくさは加速していくと確信していました。格差社会が広がり、ストレスフルな世の中になるからこそ、人々が求めた『癒やし』の提供が大きなビジネスになると考え、グランピング事業への参入を決めたのです


レジャー施設としての需要が週末に集中するという課題に対しても、大野氏は経営者として次の一手を打っている。

平日の稼働を高めるため、企業研修や人材交流の場としての活用を推進しています。すでにご利用いただいた企業様からは非常に高い評価をいただいております。単に場所を提供するだけでなく、研修講師の紹介や、企画会社と連携したパッケージ商品の販売も行っています。施設内の8棟で最大40名の宿泊が可能ですが、それを超える大人数の場合は、近隣の研修施設と提携する形をとっています。昼間は研修に集中し、夜は私たちの施設で懇親会やアクティビティを楽しむ。こうした役割分担を明確にすることで、ビジネス利用の幅を広げています



「在り方」と「遣り方」。経営の真理を 体得し、揺るぎない組織を築く



どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合

整骨院経営での挫折と、そこからの再起。これらの経験は、大野氏に経営の本質を教え込んだ。

『在り方(理念・姿勢)』と『遣り方(手法・戦略)』、その両輪が揃っていなければならないという学びです。どれほど優れた遣り方があっても、確固たる在り方が土台になければ、それは決して活かされません。整骨院時代、私はその真理を見失っていました。志や想いといった在り方だけで走る人も多いですが、ビジネスとして継続させるには、やはり遣り方が不可欠です。まず正しい在り方を立て、そこに適切な遣り方を伴わせる。これこそが経営の真理だと、身をもって実感しています


一時は倒産の危機に瀕し、生き残ることに必死だった日々。そこから再建を果たした今、ようやく未来の夢を語れる地点に立ったという。

今後のロードマップをより明確に描き、実行していくことが現在の課題です。グランピングという異業種への挑戦を経て、少しずつ先の景色が見えてきました。5年後のビジョンはまだ具体化の途中ですが、将来像を描ける基盤を構築できたこと自体が、我が社にとっての大きな前進です。一つ具体的な目標を挙げるならば、5年後には年商5億円規模を達成し、管理職が自律して部下を育成し、次々と新事業を生み出せるような組織経営を実現したいと考えています


整骨院の失敗から経営再建を果たし、新領域へと進出した大野氏。ドリームファクトリー社を導く決意を、静かな情熱を込めて語った。

私はスポーツの世界で、常に目標を掲げ、そこに向かって努力を続けてきました。挫折もありましたが、目標があるからこそ立ち直り、成長できた。これはスポーツに限らず、すべての人に通じることだと思います。 だからこそ、目標を持って努力できる人にとって、成長の場となり人生を豊かにできる会社でありたい。また、過去に挫折を味わい、思うようにいっていない人も、弊社での経験を糧に再起してもらいたい。いわば『再生工場』のような役割も果たしたいと考えています。 私たちが掲げる目標は、スタッフから『仕事が楽しい、人生が楽しい』という声が上がり、利用者様からは『楽しい、うれしい、ありがとう』という言葉をいただくこと。それを真に体現できる組織へと、ドリームファクトリーを育てていく決意です


どん底から這い上がった柔道家社長が描く、介護とグランピングの融合

倒産危機から鮮やかなカムバックを果たし、さらなる高みを目指して新事業に挑む。柔道で培った「倒されても這い上がる」精神を体現する大野社長。その不屈のリーダーシップに率いられた同社は、これからもより強固に、そしてしなやかに成長を続けていくだろう。

ドリームファクトリー株式会社
本社:大阪市平野区瓜破1-2-18
オフィシャルサイト:https://www.dreamfactory-care.com/


丹波星空グランピング-SHIGURA RESORT
兵庫県丹波市青垣町大名草2053-12
オフィシャルサイト:https://shiguraresort-glamping.jp//