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日本初!演劇と旅行が融合した「エンタビ」 ~日本を丸ごとテーマパークに!~
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日本初!演劇と旅行が融合した「エンタビ」 ~日本を丸ごとテーマパークに!~

2025.10.14
プレイング株式会社





プレイング株式会社 / 代表取締役・演出家 山本知史 氏



旅行先の観光施設へ案内されると、演劇の衣装を身にまとった役者たちが現れて、その場・その空間全体を舞台にして演劇が始まる。演者は地元の人たち。地元の魅力を「演劇」で表現し、観光客に楽しんでもらう「エンタビ」だ。
演劇を融合した新しい旅の形を提案する、プレイング株式会社代表取締役 山本知史氏に話を聞く。

日本初!演劇と旅行が融合した「エンタビ」 ~日本を丸ごとテーマパークに!~



コロナ禍で人を呼べなくなった。「旅」と「演劇」を融合するスタイルを思いつく


「エンタビ」とは、どんなエンターテインメントなのだろうか。
観光と演劇を融合した旅行の形で、観光地の地元のためだけに構成されたストーリーを地元に住む人が演じ、観光客にも参加してもらうアトラクションです。場所は観光施設やホテル、イベント会場など、どこでもOKです。


これまで「堺市立さかい利晶の杜」をはじめ様々な観光施設で公演を行ったほか、企業主催の展示会、周年記念パーティー、行政の防災イベントなどからも声がかかった。


山本氏と演劇の出会いは高校生の頃だ。卒業後も演劇にかかわり続け、1999年には自分の劇団を旗揚げした。
年に一度は定期公演をしていました。2007年に、演劇もやりながら、父親が始めた旅行業に参画して、添乗員を務めていました。


資料館、郷土文化館、古墳、城郭などの観光施設に客を案内していた山本氏。だが、違和感を覚えることがあったという。
せっかくご案内してもすぐ飽きてしまって、短時間で施設を出てくるお客様が多かったんです。歴史的な史料や世界的に素晴らしい美術品があるのに、「もったいないなぁ~」と思っていました。



そうして10年余りが過ぎた2020年、世界をコロナ禍が襲う。人が集まれなくなり、劇団も旅行業もできなくなった。先行きが見えない中、劇団員の大半が去ってしまい、残ったのは山本氏と他3人だった。

途方に暮れている暇はありませんでした。演劇と旅行業だけが唯一のスキルなら、これをやり続けるしかありません。演劇と旅を融合したら、どんな化学反応が起こるだろう? そう考えてストーリーを軸にして、謎解きや宝探しなどのアトラクション的な要素を入れたコンテンツをつくってみました。


それが「エンタビ」の原形となる。観光施設で地元の住民が演者となり、観光客も参加する演劇を提供する。
台本の作成から演出までを一貫してプレイングが行い、地元の歴史や文化を物語として伝えることで、観光客のみならず演者自身も深い理解と感動を得て、地元愛を再確認するという。
事業の流れとしては、受付をさせていただいた後は、まずはお話を聞きに行きます。私たちにどのようなことができるのかをお話した上で、その土地の魅力は何か、その地域の理念や思想を考え、何がいちばん真ん中にある核であるかを聞き出します。

「核」とは、その土地に住まう人間として「これだけは譲れない」というもので、企業では「経営理念」にあたる。
ストーリーをつくるためには、その「核」が最も大事なのだという。
次に、お芝居を誰に見せたいかによって、ストーリーがアカデミック(学術的)になるか、子供向けになるか、高齢者向きになるか、女性向きになるか……。そこまで絞り込んだら、いくらでもストーリーのアイデアが出て来ます。その中から選んでいただいて、台本を起こしていきます。そして、リハーサルを経て本番を行い、さらにブラッシュアップ(磨きがけ)していくというプロセスです。やっぱり一度は現地でリハーサルをしてみて、2回、3回と本番を重ねてブラッシュアップしていきます。


日本初!演劇と旅行が融合した「エンタビ」 ~日本を丸ごとテーマパークに!~


面白いのは、演じていくうちに、演者たちが最初の台本では満足できなくなってくることだという。
「もっとこう展開したい」「こんな要素を入れたい」など、演者側から積極的にアイデアが出て、台本はその都度磨かれていく。

演者さんたちが地元を再発見するきっかけになって、地元愛が深まって、皆さんのシビックプライド(都市や地域に対して持つ「誇り」や「愛着」)をすごく刺激する相乗効果も生まれているようです。
ただ、私たちは、あくまで裏方です。お芝居に出るべきなのは地元の人であり、観光客様なんです。私たちは脚本、演出、衣装、音響、照明を担うバックグラウンド。芝居に出たい人の集団ではなく、裏方をやりたい団体なんです。


演者になってもらう人には、1カ月くらいの稽古に参加してもらう。皆が素人なのは重々承知しているので、山本氏を始め劇団のスタッフが懇切に指導する。
しかも、ただ見せるだけの演劇ではなく、お客さんも巻き込んで、お芝居に参加してもらうという。
演劇の世界に突然巻き込まれたお客さんにも、もちろんセリフがある。スタッフが差し出すカンニングペーパーを見ながら、与えられたセリフを喋る。それもまた「エンタビ」の魅力なのだ。

こうして、非日常を楽しんでもらったお客さんには「また行きたい」と言ってくださる方もいます。リピーターが増えたら、観光地の活性化につながりますね。


日本初!演劇と旅行が融合した「エンタビ」 ~日本を丸ごとテーマパークに!~


「本当に、うちの子ですか!」 役割に応じた人格に変わる


子供向けのエンタビで、こんなエピソードがあるという。
主役を演じたのは、普段学校ではおとなしく、そのためクラスから少し「浮いている」女の子だった。
その子が選んだ役は、明るく楽しいおしゃべりが大好きなリーダー役でした。セリフを与えられて、セリフ通りのキャラクターを演じると、観に来ていた50人近い人を前にしても物おじせず、ハキハキとセリフを喋るんですよ。

この時、いちばん驚いたのは、その子のお母さんだった。
「本当に、うちの子ですか!」と感激して大粒の涙を流していたという。
「うちの娘に、あんなことができるんですね」って泣かれてしまって。台本を渡されて体験してみただけのことでも、子供にとっては、背伸びしてやってみたらできた。その役どころは、もともとその子の中にあるものです。本人には大きな成功体験になったでしょうね。


ちょっとしたきっかけで、人は劇的に変ることがある。それを目の当たりにした山本氏。
自分たちが見せるのではなく、演じる人たちが役になり切れる状況を作れば作るほど、このような化学反応が起こる。

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今、日本を訪れる外国人観光客が増えすぎて、いわゆるオーバーツーリズム(※1)が各地で問題になっている。日本式のマナーや礼儀を知らないのは仕方ない。問題は、マナーや礼儀を初めから守る気がない観光客も、残念ながらいるようだ。
これに関して山本氏は、ある構想を語る。

(※1)オーバーツーリズム:特定の観光地に観光客が過度に集中することで、地域住民の生活や自然環境に悪影響を及ぼす現象。日本語では「観光公害」とも呼ばれている。

さまざまな問題は、マナーだからルールだからとシャットダウンしてしまっても、いずれ必ずその部分は何かしらの問題や犯罪になってきます。押し付けるのではなくて、「こんな美しい日本で、こんな素敵に関われるあなたたちだから、ルールやマナーは守れるよね! だってこの国は、大和撫子の国、侍の国ですもの!」という方向に攻める。
それになりきれることがいかに楽しくて嬉しいことかをイメージしていただければ、この国はもっとテーマパークとして質の高いものになると思うのです。


「日本の土を踏んでいること」にある種の優越感を持たせて、「だから、日本のルールも守れるよね」と、心理面で攻める。実際にやれば、意外に効果があるのではないだろうか。


今秋、奈良の平城宮で定期公演を


いくつか進行中のプロジェクトはあるものの、まだ公表できないものが多い中、奈良にある「国営 平城宮いざない館」での定期公演が決まっているという。平城遷都を題材にしたストーリーで、観客にも平城時代の衣装を着てもらうそうだ。

10月4日・5日にパイロット版として劇団の役者が演じて、地元の人たちに見ていただきます。その上で11月、12月に現地でオーディションをして地元の役者(希望者含む)を募り、稽古をして、定期開催できる形をつくります。


日本初!演劇と旅行が融合した「エンタビ」 ~日本を丸ごとテーマパークに!~

「エンタビ」は全国でも例がないため、口頭で説明するだけだとイメージが湧きにくいことが多い。
そのため、オーディションをする前に地元の人に見せて、「こういうことをするんだ」とイメージしてもらい、「あの役をやりたい!」と思ってほしいとのこと。
平城時代の衣装を身にまとい、奈良の雰囲気にどっぷりつかりながら、ストーリーの世界を堪能できそうだ。
山本氏は、これまでの自分を振り返って「エンタビというコンテンツをつくるクリエイター」の意識が強かったという。それが今年3月以降、各メディアの取材をいくつか受けるようになった頃から、意識が「マーケッター」(※2)に変わったような気がするそうだ。

(※2)マーケッター:企業において製品やサービスを市場に効果的に導入し、顧客のニーズを満たすための戦略を立案・実行する専門家。

お客様が欲しいと思うものをどんどん作って、お客様と一緒に磨いていきたい。そのために、営業に出たいという気持ちが強くなっています。


毎日、新しい企画が湧いてくるという山本氏。クリエイターとしてもマーケッターとしても、新しい旅の形を提案するパイオニアとしての活躍が期待される。
「日本全体を『物語』というアトラクションでいっぱいにしたテーマパークにしたい」と、夢も大きい。
各メディアからの引き合いも増えている。
「エンタビ」が、新しい形の旅として定着する日は近いかもしれない。


日本初!演劇と旅行が融合した「エンタビ」 ~日本を丸ごとテーマパークに!~



プレイング株式会社
堺市堺区向陵東町3-1-14
オフィシャルサイト:https://www.gekidanplaying.com/