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物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大
大阪市住之江区運輸・物流新着

物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大

2024.07.26
丸和運輸株式会社/代表取締役社長 藤本智治氏

丸和運輸株式会社/代表取締役社長 藤本智治氏

                                                                

大阪南港地域といえば、国際・国内物流拠点である。その南港通り沿いに3つの大きなセンター機能倉庫を保有する丸和運輸株式会社は、創業80年以上の歴史を持ち、長きに渡り日本の運送・物流を支えてきた。初代は馬力によるリヤカー1台から個人運輸業をスタートし、現在は運輸業だけでなく、物流センター運営事業・運送事業・通関業務や保税業務といった国際物流を3本柱に、物流の枠を超え、海外からの観光客をターゲットとした新たなツーリズム事業にも取り組んでいる。
そんな丸和運輸株式会社で2006年に三代目に就任した代表取締役社長 藤本智治氏に話を伺った。

物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大

悪化していた業績を上げるために、従業員の成長と物心両面の幸せを追求



初代がリヤカー1台から個人運輸業を始め、二代目現会長(藤本氏の父親)が50年以上、代表を務め、創業以来、運送業を柱に成長してきた。藤本氏が後を継ぐことを決め、事業に関り始めた頃、売上は上がっていたものの、収益は悪化していた。

物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大

創業の事務所があった福島区でドライバーさんとキャッチボールをしながら育ったんで、後を継ぐならどうすれば従業員が幸せになってもらえるかという思いが根底にありました。業績を上げるために、何をすればよいかをずっと考えていました

大きな起点となったは、2000年の平成12年の5月。住之江区に南港営業所を開設したときである。これにより、輸出入貨物取扱事業を拡大するきっかけとなる。2005年には此花区にあった本社を住之江区に移転。翌年、藤本氏は三代目社長に就任した。

まず最初に、会社経営の目的は何かと考えました。従業員の成長を願い、物質的にも精神的にも幸せになって頂きたいがための経営です。それを明文化するためにまず企業理念の見直しをしたんです。そして当時は1社に70%ほどの売上依存の状況、リスクヘッジのため、その経営体質を早急に変える必要がありました。原点に立ち返り、新たな拠点で、新規の取引先を増やし、どれだけ業績を伸ばしていくかに務めました

経営理念、丸和の「和」は、チームワークがすばらしく、「和」のただよう会社を作りたいという創業者の思いを継承し、平和・温和・愛和・調和の基礎土台に、切磋琢磨、努力をし築き上げていく、このような心構えが「丸和のこころ」である。

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物流事業は裏方の仕事なんですが、社会的には大変価値があり、なくてはならない存在。そんな物流の仕事に誇りをもつことができれば、仕事も人生も楽しむことにつながると考えています


時代の変化に適切に対応した事業へ



大阪を拠点に、どれだけ業績を上げるかと奮闘する中、2012年に、南港営業所第一センター通関業許可を取得。これにより、輸出・輸入の申告書類の作成や申告、輸入に伴う関税の申告納付等、各種の通関業務ができるようになった。
トラック輸送から倉庫保管、通関、輸出といった物流業務をワンストップで対応できる体制が整い、大きな転換期になりました
大阪エリアが中心の運送事業者の多くは、全国的な輸配送ネットワークに加盟し、全国配送に対応。さまざまな企業の荷物を全国に輸送している。

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同社は南港に3つのセンター機能倉庫、南港営業所第1センター(約700坪)、南港第2センター(約740坪)、南港第3センター(約1440坪)を保有し、国内配送から保管、海外への輸出に至るまでワンストップで業務を受けられるサービスのひとつ3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)(※1)から保税扱い、コンテナから貨物を荷降ろしする作業、仕分け、一時保管と様々な対応を行っている。
国際物流事業は、輸出入通関から、国内ドレージ輸送(※2)を行ない、日本全国の物流ネットワークを駆使したトラック配送及び集荷を可能にしている。
また、2022年に産業廃棄物収集運搬事業を始め、現場から建設系産業廃棄物を収集し、中間処理業者へ運搬する業務を担っている。

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※1 3PL:「Third(3rd)Party Logistics サード・パーティ・ロジスティクス(略して3PL)」とは、荷主の立場にたって、物流の一連の流れを最適化し、顧客のニーズに応えるために計画・実行・管理するロジスティクスの企画・設計・運営を行う事業のこと。

※2 ドレージ輸送とは、主に国際輸送されてきたコンテナを、デバンニング(輸入貨物をコンテナから取り出す作業)をせずにトレーラーやトラックなどで運送する配送方法。


無事故・無違反をめざした「チャレンジ3650」運動の実施



物流事業ではドライバーの安全管理が不可欠であるが、12年前からドライバーに3650日、10年以上継続して無事故、無違反を達成を目標に「チャレンジ3650」運動を実施している。「初心」からスタートし、プライベートを含め1年間、事故、違反がなければ初段、2年間であれば2段と段が上がり、3650日を達成すれば10段となる。ただし、一度でも事故、違反があればスタート地点に戻る。社内の配車事務所には、それぞれの段位が記された木札が並んでおり、一目でわかるようになっている。

物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大

今年の12月末、9段になるドライバーがいるんです。10年以上無事故・無違反の達成者が出ればほんと嬉しいですね。その時は海外旅行か100万円以上の報奨金を考えています


海外からの観光客をターゲットとした新事業拡大へ

 

時代の流れを見据え、インバウンド対象のサービスも開始。
2015年に訪日外国人が旅行を楽しむためのストレスを軽減できるお手伝いができないかと、KDS(KIX delivery  service)(※3)をスタートさせました。これはスーツケースを空港まで当日運ぶサービスです

※3 KDS(KIX delivery service):大阪市内のホテル・店舗と関西国際空港間の手荷物・スーツケースの当日配送サービス。利用料金は荷物1個につき2,500円。

旅行者で賑わう大阪で、物流会社の立場から社会貢献ができないかという想いから、スタートしたこのスーツケースの当日配送KDSは、今までになかったので、大阪府知事にも認められ、中小企業の新たな事業活動を後押しする支援策「経営革新事業計画」としても承認されることとなる。
実はこのサービスは、軌道に乗るまで、藤本氏が自ら1件、1件、飛び込みで営業に行ったそうだが、現在は、約200軒以上のホテルと契約をしているという。

物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大

そしてこのKDSを広めるため、タイの展示会にも出店し、日本ブースである企業との出会いがあった。それは年間8万個のスーツケースを販売している「銀座カレン」(※4)である。

※4  株式会社銀座カレンとは、東京都中央区日本橋人形町にあるスーツケース専門店で、服飾雑貨の小売および卸業を行っています。創業は1994年4月1日で、現在は、年間8万個のスーツケースを販売する業界トップの企業として知られています。
銀座カレンのスーツケースを見て一目惚れしたんです。安くて品質がいい。1日に多い時は1,000個売れると聞いて、驚きました。そんな観光客が多く訪れる銀座カレンで、ぜひ、うちのKDSも使っていただけないかと相談し、なんばと心斎橋にMARUWAステーション(※5)という名前で出店をしました

物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大

※5 MARUWAステーションとはMARUWAツーリズム(丸和運輸株式会社の旅行事業部)が運営する旅の専門店。大阪の中心地、なんばと心斎橋で日本製スーツケースを中心に高品質な日本製の旅行用品の販売などを行っている。スーツケースの値段は6,000円からというリーズナブルな価格帯で、耐久性にも優れ、壊れにくいのが特徴。店舗ではKDSも利用できる。

コロナ禍では、訪日外国人の減少で先が見えない状態になりましたが、MARUWAステーションでは、スーツケースだけでなく、マスクやマスクホルダーも販売しました。「なにわ元気にするデーPROJECT」(※6)にも参加し、うちのマスクホルダーを作りました


物流の枠を超え、時代の変化・ニーズに応えて業容を拡大

苦境の中でも需要に伴い、マスクコーナーを拡大するなど、藤本氏は常に時代のニーズに対応していった。

※6 「なにわ元気にするデーPROJECT」は、『お菓子のデパートよしや』を展開する吉寿屋が立ち上げ、関西の菓子メーカー25社が手掛ける人気駄菓子のパッケージをあしらったマスクホルダーを作成し、販売。もともと関西の中小菓子メーカー数社で始まったが、業種を超えての大規模プロジェクトとなる。
将来につながるビジネススキーム、海外、外国、貿易、旅行とかというキーワードに関わった仕事をすれば、この先、楽しみながらプラスアルファー融合ができると感じています


そして2019年には荷物を運ぶだけでなく、人を運ぶこともやってみたいという考えで、第2種旅行業免許、一般旅客自動車運送事業免許を取得、正式に旅行会社としても認められた。
さらに、大阪観光局の定例記者会見の中では、オーバーツーリズム(※7)対策として大手企業と共に「丸和運輸」の名前が出され、今後、オーバーツーリズムの旅行業やスーツケースの配送等においても丸和運輸は大いに注目をされている。
物流事業の枠を超え、さらなるステージをめざし、時代のニーズに対応し続ける藤本氏の今後の展開がますます楽しみである。

※7 オーバーツーリズムとは、観光地にキャパシティ以上の観光客が押し寄せること。 具体的な問題としては、街中の人混みや交通渋滞、トイレの不足といったインフラの問題、騒音やゴミの問題、環境破壊などと、それらを原因とした地域住民と観光客とのトラブルが挙げられる。


丸和運輸株式会社
本社:大阪市住之江区南港東4-10-27丸和運輸南港DDC
オフィシャルサイト:https://www.maruwaunyu.co.jp/