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「想いをカタチにする」132年企業。「ほめる・感謝する」文化を次世代へ継承する、5代目社長の野望とは
大阪市中央区製造・メーカー新着

「想いをカタチにする」132年企業。「ほめる・感謝する」文化を次世代へ継承する、5代目社長の野望とは

2026.06.19
株式会社ササガワ

株式会社ササガワ / 代表取締役社長 笹川敦司 氏




大阪に本社を置く株式会社ササガワは、創業132年。
誰もが一度は目にしたことのある「タカ印」の賞状用紙やのし紙で知られる、老舗メーカーだ。
5代目の代表取締役社長 笹川敦司氏は「人の手と目による品質管理」を大切にしている。

「思いやりと笑顔があふれる社会」を目指し、主力商品である紙製品を軸に「ほめる・感謝する」という文化を広げていこうとする笹川氏に、伝統の継承と革新のプロセス、そして今後の展望を聞いた。

「想いをカタチにする」132年企業。「ほめる・感謝する」文化を次世代へ継承する、5代目社長の野望とは


老舗企業の「事業承継」と「現場主義」


家業に入る前は、大学院卒業後、大手企業 松下電器産業株式会社 ((現)パナソニック株式会社)においてシステム構築のプロジェクトマネジメントを行っていた笹川氏。会社経営に際して、当時培ったスキルと経験が活きる場面は多いという。

前職では社内のシステムエンジニアとして、複数の組織や部署を横断するプロジェクトを担当していました。システムを構築する際、お客さまの要望を汲み取りつつ、協力会社の方々をマネジメントし、「誰が、いつまでに、何をやるか」を整理して進める必要がありました。この多角的な調整力やプロジェクト管理の経験は、現在の仕事にも非常に役立っています。メーカーとして商品企画、営業から製造、配送まで、全体を俯瞰してコントロールする上で土台になっていると感じます。


世界的な大企業に勤めながらも、ゆくゆくは家業を継ぐことになるだろうと思っていたという。だが、先代(父親)から「跡を継いでくれ」とはっきり言われたことはないのだと。

大学院卒で5年ほど勤務し、30歳という人生の節目を迎える頃でした。父は性格上、はっきりと「継いでくれ」とは言わない人でしたが、なんとなく漂う空気感がありました。その空気を僕が読み取った感じですね。自分の人生をどうしていくべきかと考えたとき、やはり家業でやっていこうという決意が固まりました。
ただ、入社してすぐに社長になったわけではありません。最初は部署名のない名刺を渡され、自由にして良いという環境でしたが、それではいけないと思い、自ら実務を志願しました。初めの3年は営業、その後1年は松原事務所で生産管理、さらに副所長として1年、現場の社員さんと同じ目線に立つことを大切にしました。最終的には父の病気が重なり、思っていたより早く会社を継ぐこととなりましたが、あの現場経験があったからこそ、今があると思っています。


5年の現場経験で、社員さんたちの真面目で誠実な仕事ぶりに触れた笹川氏。

いちばんの原動力は、社員さんたちが、毎日ササガワでしっかりと働いて、家に帰っていくという、そんな当たり前の日常を守ることが、僕にとって最大のモチベーションになっています。最初は社長の跡継ぎということで遠巻きに見られることもありましたが、実務を通じて泥臭く入っていったことで、徐々に受け入れてもらえたように思います。


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ササガワの信頼を支える品質と納期へのこだわり


ササガワの強みは、品ぞろえの豊富さにある。
笹川氏は「全体では3500品目になり、そのうち賞状用紙は130品目となります。賞状用紙だけでこれだけの品目を持っているのは当社ぐらいではないでしょうか」と語る。

賞状にはその時々のシーンに応じた最適な形があります。あらゆるシーンやニーズに応えられる商品を常に在庫していることは、他社には真似できない大きな強みだと自負しています。


品質管理においては、人の目による検査も行っている。
機械では見逃してしまうわずかな「黒点」も見逃さない、社員さんの真面目さと誠実さが品質を支えている。

紙は天然の木材チップを溶かして作るため、どうしても微細な木の成分が黒点として残ることがあります。機械でもチェックできますが、設定を厳しくしすぎるとすべてがはじかれ、緩めると品質が落ちる。とりわけ、賞状やのし紙のように白地が広い商品は、少しの汚れでも非常に目立ちます。なので、最後は人の目でチェックをします。社員さんにヒアリングした際も、みんな口を揃えて品質に対する意識の高さを語ってくれました。
誠実に1つ1つの商品に向き合う姿勢が、ササガワの品質を支えているのです。


ササガワのブランド「タカ印」は、元々、およそ100年前に買収した会社のブランドだった。それを今も継承し続けている背景に関しては、このように伝わっている。

祖父の時代の話ですが、買収した「高橋勉強堂」さんに敬意を払い、自分たちのブランドの一部として使っていくことになったそうです。今では「タカ印」という名前で信頼をいただいています。そうして伝統を守りつつ、最近ではハンドメイド作家さん向けの『オリジナルワークス』という新しいブランドも立ち上げました。ブランドを分けるにしても、根底には「想いをカタチにする」という共通の軸があります。僕たちの商品はすべて、誰かの想いをカタチにするためのものなのです。


「想いをカタチにする」132年企業。「ほめる・感謝する」文化を次世代へ継承する、5代目社長の野望とは


「ほめる・感謝する」文化を繋ぐ。200年企業を目指して


笹川氏は、約80名いる社員さんとの1対1の面談を実施している。
多忙な日々を送りながら、社員さんとの対話を重視するのは「社員さんのことを、もっと知りたいから」という気持ちがある。

単純に、社員さんのことをもっと知りたいんです。一人一人に寄り添いたいので、面談では「雑談でもいいよ。何を言ってもいいよ。」と伝えています。例えば、寡黙な社員さんが、面談を通じて少しずつ前向きに話せるようになる。そんな成長を間近で見られるのが、何より嬉しいですね。
今は部署同士が、対話を重ねることでお互いの苦労を知り、感謝し合うという空気が醸成されてきました。


その「ほめる・感謝する」という文化を広げようと、新しい事業の計画が進んでいる。
今年(2026年)の秋を目途に、研修事業をスタートさせたいという。

今年の秋に向けて、研修事業を準備しています。人をほめたり感謝を伝えたりすることが、特にビジネスの場では難しいと感じる方もおられます。ササガワは長年、賞状を扱ってきたことで得られた知見を活かし、どうすればうまくほめたり、感謝したりできるのかを会社全体として模索しています。
ほめること、感謝することは、間違いなく人生を幸せにします。人間ならではの温かみのあるコミュニケーションの輪を広げていきたいです。


「想いをカタチにする」132年企業。「ほめる・感謝する」文化を次世代へ継承する、5代目社長の野望とは


社長就任から10年。次の10年、さらにその先に向けて、社員さんや読者の方にメッセージをお願いした。

僕がミッションを言語化したのは、ササガワがこれから150年、200年と続いていくために、社会に対して何をなすべきかを明確にしたかったからです。単にモノを売るだけでなく、「思いやりと笑顔があふれる社会」の実現に向けて、社会に貢献する会社でありたいと思っています。



誠実と信頼の積み重ねが、同社の特徴のひとつとなっている。
紙がデジタルに置き換わっても、「ありがとう」や「おめでとう」の想いをカタチにして、人から人へ贈る喜びが失われることはない。
様々な活動を通じて人の想いをカタチにする役割は、これからも変わらず続いていきそうだ。

「想いをカタチにする」132年企業。「ほめる・感謝する」文化を次世代へ継承する、5代目社長の野望とは




株式会社ササガワ
本社:大阪市中央区南船場1丁目16番29号
オフィシャルサイト:https://www.sasagawa-brand.co.jp/